劇場公開日 1954年7月3日

「名作です、切なく心が痛いです」忘れじの面影(1948) あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0名作です、切なく心が痛いです

2018年9月21日
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鑑賞方法:DVD/BD

あなたは昔の彼、彼女の面影をどれだけ覚えいるでしょうか?
何年も、何十年も時が過ぎ去り容貌も体型も変わってしまっても、街で見かけてそれと直ぐに気がつけるでしょうか?
青春の熱い思い出はいつまでも鮮明に思い出せても、相手の顔をそれだけ心に刻み付けているのでしょうか?

そんな事をしみじみと感慨にふける深い余韻の残る映画でした
1900年頃のウィーンとリンツの街並みが生き生きと再現されたセットや衣装も見事
たった2週間と手を振って別れた駅のシーンが10年後に繰り返されるシーン
同じ言葉、同じ駅、同じプラットホーム、同じ柵
それに気付いて表情が変わっていくシーンが特に心に残る名シーンです
そして、結局顔を思い出してくれなかった絶望に打ちのめされたシーンは心が震えました

手紙を読み終えた男の心の痛さは、きっと本作を観るあなたにも自分の心の痛みとして感じられる事でしょう

駅の別れの繰り返しは同年1月公開のアンナカレリナと良く似ています
本作は同年4月公開ですが、そこからインスパイアされたのでしょうか?
駅の柵のセットまで似ています

あき240