劇場公開日 1995年7月1日

「マーヴィン・ルロイ版に軍配!」若草物語 KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0マーヴィン・ルロイ版に軍配!

2022年4月15日
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この94年版を観て感じたのは、
49年版のマーヴィン・ルロイ監督作品は
かなり舞台劇調だったこと。
ルロイ版がほぼ主人公の実家での展開に
終始したので、
オルコットの原作は戯曲だったのか
と思った位だ。
ルロイ監督が全てセットで撮影したのは、
元々が舞台劇調を意識して仕上げたため
だったのだろうか。

しかし、この作品はしっかり映画調で、
次女のニューヨークでの教授との成り行きや
旅先のヨーロッパでの四女の恋の成就が
後半にかなりのウェイトをかけて描かれ、
ルロイ版では省かれていたストーリー上の
隙間を埋めてはくれた。
多分に原作に倣い描かれたのだろうか。
しかし、それらはこの話の核心のために
必ずしも外せないものでもなかった
ように私には思える。

ルロイ版では、あたかも舞台劇のような
省略とデフォルメ化を行った分、
四姉妹の個性、そして特に主役である次女の
勝ち気で決断力があって
何事にも本質論に従って行動する資質を
上手く表現していたと思う。
また、この作品では影の薄い
叔母と隣家の資産家の存在感は
作品そのものにメリハリを付けると共に、
それが四姉妹それぞれの性格描写を
更に引き出す媒体として
成功していたように思える。

監督の演出力としてはルロイ監督に
軍配を上げざるを得ないだろう。

それにしても、この「若草物語」の映画化作品
のキネマ旬報ベストテン評価では、
「マイ・フェア・レディ」の
ジョージ・キューカー監督の34年版と
「哀愁」「心の旅路」の
マーヴィン・ルロイ監督の49年版では
共に圏外、
また、この作品も69位との
専門家には低い評価が続いていた。
ところが3年前の
「ストーリー・オブ・マイライフ
/わたしの若草物語」はなんと第4位に選出。

私にとっては
第3の「若草物語」として、「ストーリー…」を
観なければならない物語になってしまった!

KENZO一級建築士事務所
りかさんのコメント
2023年11月11日

おはようございます😃
共感コメントしていただきましてありがとうございました😊
やはり色々とお詳しいですね。新しい作品のご紹介ありがとうございました☆
先の二作品を観るのは、私なかなかでして、また調べてみようと思います。
ありがとうございました😊

りか
りかさんのコメント
2023年11月11日

こんばんは♪、
本作も好きです。
『ストーリーオブマイライフ』と同じくらいです。’49年版は、
エリザベス•テイラーさんしか記憶がありませんので。
失礼いたしました🎄

りか