劇場公開日 1998年4月11日

「作り物感要素の羅列ばかりに…」恋愛小説家 KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0作り物感要素の羅列ばかりに…

2022年12月24日
スマートフォンから投稿

ブルックス監督作品は、結果的に
「愛と追憶の日々」と
この「恋愛小説家」を観ていたのだが、
同じ監督作品としての認識はなかった。

しかし、「愛と…」では、
登場人物全員の余りにも奔放な性行動という
極端過ぎる前提に嫌悪感を感じていた。

そして、この作品では、
何もかもが不自然で強引な展開、
従って、全てが作為的に感じ、
感情移入出来なかった。

主人公の潔癖症の設定も、

彼女が彼を好きになる経緯も、

彼が犬を預かる経緯も、

何故、彼女が彼が乗ろうとするタクシーに
一緒に乗らなければならないのかも、

犬に好かれたり、
散歩させることになる経緯等々、

全ては他の状況に帰する方が
自然に感じる展開を
強引に裏腹に話を進めるような
作り物感要素の羅列ばかりに
没入出来なくなってしまった。

名優ジャック・ニコルソンでも、
主人公の心の変遷を自然に描ききれない
脚本力と演出力の弱さを感じてしまった。

彼女の息子の高額医療費の肩替わりや
隣人ゲイ青年への生活支援も
金に物言わせる感じであからさま過ぎるし、
「女性とは、
男から理性と責任を取り除くだけさ」との
主人公の最初の人間的ベースが極端過ぎて、
彼女やゲイの青年の影響で修復したとの
結末の唐突感が私を支配してしまった。

ただ、ハリソン・フォード主演の「心の旅」に
匹敵するワンちゃんの迷演技に加点して
🌟3つにさせて頂きました。

コメントする
KENZO一級建築士事務所