劇場公開日 2022年12月23日

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「前作からわずか2年で少女から女性に成長したソフィー・マルソーの魅力がスクリーンからはみ出した『続・サザエさん』」ラ・ブーム2 よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0前作からわずか2年で少女から女性に成長したソフィー・マルソーの魅力がスクリーンからはみ出した『続・サザエさん』

2022年12月27日
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鑑賞方法:映画館

舞台は前作から2年後。15歳になったヴィックは両親や友人と離れて夏休みをバイエルンで過ごしていたが雄大な自然の中で暇を持て余していた。ザルツブルクにいたプペットに誘われてホームステイを6日早く切り上げてパリに戻ることにしたヴィックは車内で出会った17歳のフィリップとパスポートを取り違えてしまう。パリに戻ってからそのことに気づいたヴィックはペネロプと共にフィリップを訪ねるがそこで二人ともフィリップに恋をしてしまい・・・からの物語ですが、まず驚くのは前作からたった2年しか経っていないのにソフィー・マルソーが別人のように魅力的な女性になっていること。外見は成熟していても中身は少女、その刹那で光り輝くソフィーの美しさが終始スクリーンからはみ出しています。

前作レビューでも触れた通り上記のような恋バナは物語のごく一部。前作にも増して色んな物語が盛り込まれてもはやオムニバスドラマになっています。前作でも『裏街』のヒロインを気取り既婚男性との恋を語っていたプペットに起こる事件、歯科医から研究の世界に進もうと決めたフランソワと自作のアニメ化でさらに多忙になったフランソワーズのすれ違いといった大きなドラマに絡むのがギャグパート。前作で小学生だったサマンサがファザコンぶりを全開にしてフランソワに色仕掛けしたり、ブームの余興が警察沙汰になったりといった喧騒がどれも微笑ましいです。

前作も古典映画へのオマージュが滲んでいましたが、本作にも『雨に唄えば』他へのリスペクトがさりげなく滲んでいるのもポイント。特に『逢びき』の引用はさすがとしか言いようがない洒落た演出になっています。

前作の『愛のファンタジー』に代わって本作で繰り返し流れるのが劇中にもしっかり出演しているクック・ダ・ブックスの『恋する瞳』。40年前の映像と併せて耳に響く名曲はドラマに関係なく涙腺をガンガンに刺激します。曲は40年聴き続けてきましたが、動くクック・ダ・ブックスを観るのは初めてで、そのいかにも80‘sバンド然としたルックスにニヤニヤさせられました。

個人的に可哀想だったのはヴィクやペネロプの友人ステファン。ミハイル・バリシニコフやアレクサンダー・ゴドノフといったビッグネームのチケットを押さえたのに毎回ヴィクにドタキャンされて肩を落とす姿が一番泣けるかも知れません。

今回ビックリしたのはマチューのパーティにやってきた青年フェリックスが演じているのがランベール・ウィルソンだったこと。つい先日『ミセス・ハリス、パリへ行く』で老いた侯爵を演じている姿を観たばかりだったので、シレッとヴィクをナンパする青年役の初々しさに40年の月日の重さをずっしりと感じました。

よね