ライフ・イズ・ビューティフルのレビュー・感想・評価
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過去の大きな過ちを知っていればこそ観る者の心に刺さる映画
映画としての品質はお世辞にもいいとは思えない。
笑顔を絶やさない主人公と無慈悲に流れる現実のあまりの惨さに心が痛む。
何も知らない無垢な少年や現実に悲しむ妻や軍医の表情がかえって主人公の笑顔を印象的なものにしている。
【愛する女性と息子を守るために、ナチスに対しユーモアを忘れずに男が行った崇高な行為を描く作品。愛した女性と息子をユーモアで二人の不安感を払拭しつつ守る姿には、真の男の姿を見る思いがする作品でもある。】
■イタリアの小さな町にやってきたユダヤ系イタリア人・グイド(ロベルト・ベニーニ)は、美しい小学校教師・ドーラ(ニコレッタ・ブラスキ)と出会い、略奪に近い形で結婚する。
そして、息子・ジョズエが生まれ家族三人で幸せに暮らしていた。
しかし、ユダヤ人迫害の嵐が吹き荒れるファシズム政権下で、グイドとジョズエは強制収容所に連行される。
◆感想
・ナチスの、ユダヤ人に対する行いはヴィクトール・フランシスの名著「夜と霧」に記載されているように、過酷な描写が多い。それは、真実であろう。
だが、今作では、喜劇俳優のロベルト・ベニーニがメガホンを取った事もあり、そのような部分は抑制したトーンで描かれる。
- 最も、端的に描かれたシーンとしては、グイドが撤退するドイツ兵に撃たれるシーンであろう。撃たれるシーンは直接的には描かれず、銃声のみが響き渡る。-
・グイドが、ドーラに一目ぼれし、彼女の婚約の場から連れ去るシーンはコミカルに描かれる。
- 象徴的なのは、ユダヤ人への侮蔑の言葉を書かれた馬に乗って、二人が式場から出奔するシーンである。-
・後半は、グイド一家が、ナチスの収容所に連れていかれるシーンが描かれる。
- だが、グイドはドイツ指揮官の言葉を、自分の息子を含めた収容された人々に、ユーモアを持って伝えるシーンの素晴らしさ。
そして、グイドは、息子ジョズエに対し、”これは、ゲーム何だ!”と言って、不安感を軽減させる数々のシーン。
更に、別れ別れになった愛した”お姫様”ドーラに対し、音楽を介してメッセージを伝えるシーンも素晴らしい。-
<ジム・ジャームッシュの「ダウンバイロー」で知った、面白きイタリア喜劇俳優のロベルト・ベニーニが監督・脚本も手掛けた素晴らしきユーモアと気品溢れる反戦映画の秀作。
一人の男が、愛した女性と息子をユーモアで二人の不安感を払拭しつつ守る姿には、真の男の姿を見る思いがする作品である。>
■その他
・イタリア映画の秀作って、自転車が重要なアイテムとして描かれることが多いなあ・・。
立派な父親
何の情報もなく地上波放送してたのを録画して観賞したので
最初はコミカルな映画だと思っていました。
中盤にかけて 第二次世界大戦下のユダヤ人迫害(ホロコースト)を、
ユダヤ系イタリア人の親子の視点から描いた作品だと理解しました。
■最初はコミカルなラブコメ映画だと思った。
古い映画でコミカルなこのノリは、正直あまり好きではないな・・と思いながら
最初はウエイターの主人公とお金持ちのご令嬢との
身分違いのラブ・ストーリーなのかと思ってました。
そしたらユダヤ人・・あれ??
ナチスの強制収容所に収監されたある一家の物語だったのです。
■子供に恐怖を与えない為に笑顔を振るまう父
収容所に入れられてからは子供には「これはゲームなんだよ」・・と
最後の最後まで笑顔を振るまう父の姿に泣いた。
■なぞなぞの答えは無い
ベニーニ監督曰く、なぞなぞに答えはなく、
戦争のバカバカしさを強調するためだと言うことでした。
ナチスに強制収容されたユダヤ人の話で、一見暗くなりそうなところ、主人公の明るさと前向きさ、家族への深い愛情で、希望を感じさせる内容になっている。
全然知らない映画でしたが・・名作と呼ばれるのも納得です。
主人公がうるさい
映画のタイトルだけは聞いたことがあった。
テレビ放映されていたので視聴。
イタリアの田舎町からローマに出てきた男性が、女性と結婚し子どもを授かった。
その後、戦争により突然家族がナチスの収容所に連れて行かれてしまうというストーリー。
タイトルを聞いたことがあった分、期待しすぎた。
ずっと喋っている主人公。
最初から最後までとにかくうるさい。
ストーリーも、別におもしろいわけでも感動するわけでもない。
どこを主軸に描きたいのかがよく分からない。
どんな形であれ、語り継ぐ義務があるのだ、我々は‼️❓
この映画の品質うんぬんは、あえて、意味がない、とまで思います。
現実に、こんな主人公がいるのだろうか、とか、意味があるのだろう、とか。
シンドラーのリストとかで、伝えきれない、こともあります。
また、現実に一筋だと、目を背けてしまう、こともあります。
いかに、非人間的なことが、理不尽なことが、されてきたか、今も、される恐れがある事を、語り継ぐ責務があります。
それが、この映画では、対比や、何某かの比喩で、見せつけられるのです。
慟哭と共に、みんなが、観る義務があります。
二度と、繰り返さないように、そう念じながら、憤怒と共に。
このネタを切り口で!
もしかしたら貴方も「こういう映画はあまり見たくないな・・・」という印象をもってしまう映画かもしれない。なんとなく糞真面目っぽい雰囲気がジャケットからだと言っていると言うか・・・この作品がレンタルビデオ店に並んでいた時、私もそう思った。それでも私がこの映画を見たのは、当時仲良くしていた可愛い店員さんから勧められたからである。そして本当に見てよかったと思った。
じっくりスローテンポでアットホームな優しい感じの前半から、緊張感漂う中をユーモアで切り抜けていく後半に移り変わる脚本が実に見事だ。短編映画ならいざ知らず長編映画でこういうやり方で立派な脚本を書いて成功させたのは称賛に値する。エピソードの一つ一つがアイデアに富んでいて最後まで惹きつけられた。
この映画は戦争の悲惨さとか無慈悲さとか残酷さを描いた映画ではなく、人の持つ勇気と愛と知恵と諦めない強い心・・・そしてユーモアの持つ力を描いた映画だ。
初めての感覚
強制収容所の話を知っているからこその恐怖や悲しさはもちろん感じます。ただ、それに加わる安堵と少しの爽やかさ。すべてが父の明るさと愛の上に。観終わったあとの複雑な感情は初めての経験でした。もちろん、いい意味で。
マイナス点がないので
一言で言って、気持ち悪さしか感じない
こんなちゃちな仕掛けで感動できるのは、
きっとナイーブな「心の綺麗な」人なんだろうと思う
「最後のアメリカ兵がカッコいい」ですか…
まさにアカデミー賞受賞作だという感じがします
ビューティフルかはわかりませんが生きざまは素晴らしいです。
舞台は第2次大戦中のイタリア。陽気なイタリア人の明るく切ない物語。前半では、主人公が陽気な人である事をこれでもかとみせつけてきます。ドリフのコントみたいな感じですが、ここで映画に入り込んでいければきっとこの映画を楽しめるのではないでしょうか。逆に、ここでクスリとも笑えないと、最後のギャップを狙い通りに味わえないかもしれません。
細かいことは気にせずにとてもいい映画
とても面白かった。先に内容を一ミリも入れずに見ていたので、最初はコメディ系の映画だと思っていた。一番いいところは主人公の生きざまが最初から最後まで変わらないところだろう。男らしいというのはこういうことを言うと思う。
映画の内容はこのくらいにして、この映画を見た後にネットでこの映画をひどく批判するレビューが見受けられた。かなり細かいところやリアリティを見る人たちだなぁと思いながら見ていたが、僕は現実味があるかないかという観点はとても大事だと思う。例えばワンピースといった、超人が出てくる現実味のない物語で骨折という概念が出てきたら当然興ざめするだろう。ここでの問題点はリアリティがあるかどうかではなく、リアリティがないならぶっ飛んだ物語、リアリティがあるなら現実に即した物語を徹底するという所がとても大事。僕が思うにこの映画はリアリティがあるかと問われたら「ない」と即答するだろう。これから見る人はそこを頭の片隅にとどめてほしい。
イタリア系ユダヤ人のホロコースト
つつましくも幸せな生活を送っていた男、婚約者から恋人を、奇想天外な方法で奪い、結婚、子宝にも恵まれ、、、
しかしある日、ナチスの手が、、、
悲劇の幕が上がっても、男の楽観主義は徹底していた。
本当にそんな人がいる?
違和感があるくらい徹底的に、息子の恐怖心を煽らない最大の振る舞いを続けた。
ホロコースト映画としては珍しい、ラストシーンに心打たれた。
父の背中、夫の背中
とんでもない逆境の中で、精一杯家族を鼓舞する主人公の生きざまには相変わらず驚愕。沈みがちな心をここまで明るくできることが信じられない。
父の背中を見て育つ息子も、妻も、とても頼もしい大きな男の背中を感じたに違いない。振り返って、自分の背中は妻子にどう見えるんだろう。年を重ねて見なおすと、別の想いが湧いてくる。
あまりにも切なすぎて、、 最後のワンシーンで完全に涙腺がイカれまし...
あまりにも切なすぎて、、
最後のワンシーンで完全に涙腺がイカれました
楽しいことが大好きで、笑いが絶えなくて
観ていて何度も笑ってしまいました
笑いながら、泣きました
彼が大きくなって、あの時代に何があったか知った時、
初めてお父さんからの贈り物の意味に気づくんだろうなぁ
悲惨な現実をコミカルに描いた名作
久々に、様々に感情が揺さぶられるいい映画を観た。強制収容所に収監される厳しい現実にありながら、家族を思い、子供が不安にならないようにユーモアたっぷりに導いていく姿が素晴らしい。振りがエンディングに繋がっていく脚本も良かったなぁ。
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