劇場公開日 2022年11月4日

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「哲学的な面白さ」未来惑星ザルドス shantiさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0哲学的な面白さ

2022年11月4日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

知的

幸せ

以前にDVDで鑑賞した作品が劇場で見られる喜びに浸れた佳作である。人間は天国的な状況に慣れてしまうと堕落する。多少の不便さと辛さを保持してこそ、日々を卒なく暮らせるくらいの知恵が自ずと付く。ちょっとした人生訓のような内容である。ショーン・コネリーの絶倫男はハマリ役だ。シャルロット・ランプリングのクールな美しさはこの時代のミューズでもある。カルト的な人気を博している作品であり、SFとしては難解と捉えられがちだが、美術、衣装の素晴らしさと際どさと生よりも死を望む「不死」の哲学的なアプローチが時代より少し先に行っていただけだではないだろうか?単純明快な内容よりは捻ってあるこの作品の方が今となっては理解されるのでないだろうか?私はそのように感じつつ、楽しくエンドロールを迎えた。サウンドトラックも素晴らしい出来だった。ジョージ・オーウェル「1984年」、オルダス・ハックスリー「すばらしい新世界」と並ぶディストピアな未来像を描いた作品である。

shanti