劇場公開日 1995年9月15日

「裸足のフランチェスカ、ドアを静かに閉めるロバート」マディソン郡の橋 talismanさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5裸足のフランチェスカ、ドアを静かに閉めるロバート

2021年8月10日
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鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

幸せ

監督、イーストウッドだったのかーーーー!原作読んで映画も公開されて割とすぐに見た。その時は原作者がちゃらいおじさんだなというイメージでふーんという感想だった。

唯一よく覚えていたのはロバートがドアを静かに閉める人であることだけだった。フランチェスカはイタリアのバーリ出身で、夫のリチャードとはナポリで知り合ったこと、教師をしていたが妊娠出産で夫に言われて仕事を辞めたことは今回初めて知った。

4日間を演じるメリル・ストリープはイタリアの女優のようだった。目の下には隈、世間が狭い片田舎に住んでいる取り柄もない女と思いこんで生活に退屈してもう何かを諦めている彼女。裸足であちこち歩き回る彼女。常に髪をアップにしてた。でもロバートとの会話が彼女をどんどん解きほぐしていって、君はsimpleではないとロバートが言うほどに教養があって夢もある女性であることが私たち観客の前に顕れる。アイスティーに誘い、夕食に誘い、吸うときは必ず自分にも勧めてくれるロバートから煙草を受け取り、よく笑い冗談を言い髪もおろしデコルテが開いたドレスを身につける。ロバートはアイルランド出身という設定だった。イエーツやバイロンの詩も登場する。その詩がふたりを更に強く結びつける。

ちょっとした二人の仕草、指や手の触れ合いがとても繊細な演技で心が久しぶりに震えた。

ロバートはトーンを抑えた声で非常に物静かだ。キッチンで食事の支度をする彼女に何か手伝おうか?とその都度(計3回!)申し出る。外での散歩に彼女が不安を覚えたこともすぐに察する。声、話し方、気がきく、会話が弾む、ユーモアもたっぷり。こんな人はめったに居ない。当時イーストウッドは64~5歳だ。かっこいい!こういう人に憧れます😢

26年たってまた見ることができてよかった。

talisman
しろくろぱんださんのコメント
2022年5月30日

コメントありがとうございます。
一目惚れすらできない状態ですか。
…今まで家族の為に自分の心、感情を無くしていた。彼と出会って諦めていた自分の心を取り戻すこもが出来たのかもしれませんね。

しろくろぱんだ
きりんさんのコメント
2021年8月25日

もう一度
マディソン郡の橋でお会いしましょう(笑)

きりん
きりんさんのコメント
2021年8月25日

マディソン郡の橋へどうぞ
3分後に消します

きりん
MAKOさんのコメント
2021年8月17日

個人的感想

旦那の留守中、田舎の農家のオバちゃんの前にイーストウッドが現れたらそりゃ恋にも落ちるわ!

MAKO
シネマディクトさんのコメント
2021年8月11日

talismanさんのレビューは、気づかなかったことを気づかせてくれますね。確かに、ちょっとした仕草で、二人の距離感が縮まっていくのがポイントですね。監督としても役者としても、イーストウッド,うまいなぁと思いました。

シネマディクト
きりんさんのコメント
2021年8月11日

talisman さん
ついに再鑑賞 達成されたんですねー(笑)

大人になってもう一度出会う名画のレビューに、どれたけtalisman さんがこの映画に食い入るように惹き付けられたのかすごくよく分かりました。
読んでいて感動とともに「僕もまたどうしても観たい!」というものすごい衝動を感じます。
素敵なレビュー、ありがとうございました‼️

きりん

きりん
カルヴェロさんのコメント
2021年8月10日

老がつく年齢になっても「明日」を夢見て今を生きることの意味を考えさせてもらいました

カルヴェロ