別離(1974)

劇場公開日:

解説

冷えきった仲の中年夫婦、夫の愛を取り戻そうとした妻が整形手術を受け、変貌するまでを描く。製作はドミニク・ダン、監督は「さよならコロンバス」のラリー・ピアース、脚本はジャン・クロード・トレモン、撮影はエンニオ・グァルネッリ、音楽はモーリス・ジャールが各々担当。出演はエリザベス・テイラー、ヘンリー・フォンダ、ヘルムート・バーガー、キース・バクスター、マーガレット・ブライ、モーリス・ティナックなど。

1974年製作/アメリカ
原題:Ash Wednesday
配給:ヘラルド映画
劇場公開日:1975年3月21日

ストーリー

バーバラ・ソーヤー(エリザベス・テイラー)はかつては美しい女だった。だが老年期を迎えようとしている今、美貌は失せ、肉体は醜い脂肪の魂に化そうとしていた。老いこんでしまった女にこれからどんな新しい世界が開けるというのか、身をこがすような焦りと不安が日一日と深まり、夫の冷えきった愛を取り戻すため、全身美容手術を受けることを決意した。彼女は身仕度をするとイタリアのコモ湖へ旅立った。この有名な観光都市は世界中の金持ちが集まるところで、そうした人たち相手の権威ある整形病院が建てられていた。やがてバーバラはその病院に入院し、ランバート博士(モーリス・ティナック)の手術を受けた。ほとんど全身におよぶ長期の手術で彼女は確実に20歳は若くなり、誰が見ても30代半ばのセクシーな女性だった。バーバラに自信が甦る。夫のマーク(ヘンリー・フォンダ)は今、若い女性に気持が傾いているが、私を見れば必ずまた戻ってくるだろう。私にも新しい愛の相手が見つかるかも知れない。彼女はマークと再会するため、雪のコルティナ・ダンペッツオへ向かった。豪華なホテルに部屋をとったバーバラは早速デトロイトにいるマークに電話を入れたが仕事の都合で何日か遅れることを冷ややかに告げるのみだった。バーバラの心に風が吹き込む。幾日かの侘しいホテル暮らしの中で、エリック(ヘルムート・バーガー)というスキーの教師と知り合った。彼は自分の美貌を利用して金持ち女から金をせびり取るケチなジゴロにすぎなかったが、バーバラはそれを愛と錯覚してしまう。しばらくしてパリから娘のケイト(マーガレット・ブライ)がやってきた。30歳になるこの娘もまた結婚生活に破れて傷心の日々を送っていた。彼女はあまりにも若返ってしまった母親に一瞬とまどったが、やがて素直に祝福するのだった。数日してパリからの急行列車でマークが到着した。マークは、再会の喜びを顔いっぱいに現わして駆け寄ったバーバラを見てもちょっと表情を変えただけだった。ホテルに落ち着いた2人にやがて決定的な破局が訪れる。「あなたは若い女性が欲しいの?ならこの私をベッドへ連れていって私の裸を見てよ!」悲鳴とも絶叫ともつかないバーバラの叫び声がひびいたが、マークは無表情だった。列車がコルティナの山なみの中にゆっくり姿を消していく。マークを駅まで見送ったバーバラの背に冬の陽ざしがやわらかく降りそそいでいる。これで、すべてが終わったのだ。アルプスから長い冬が去っていこうとしていた。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第31回 ゴールデングローブ賞(1974年)

ノミネート

最優秀主演女優賞(ドラマ) エリザベス・テイラー
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