「名もなき怪物はどこへも行けない」フランケンシュタイン(1931) チャーリーさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5名もなき怪物はどこへも行けない

2014年8月3日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

興奮

なんて悲しい映画なんだろうって感じました。群衆たちは迷いなく怪物を追い込み、迷いなく怪物を殺しにかかります。そこには名づけられていないものへの不安があります。そしてその群衆の迷いなさによる一体感は彼らを没個性へと押しやっているのに、そうした彼ら自身はそのことに無自覚です。こうした無自覚さゆえの疎外の恐ろしさを感じさせる映画でした。人は名づけられないものには脅威を感じ、それを排除しようとするんだな、と。
映像はとてもとても素晴らしいものでした。映画の伝説を見ているかのような気持ちでした。少女との邂逅のシーン、追い込まれる風車小屋のシーン、いずれも脳裏に焼き付きます。

チャーリー