劇場公開日 1984年7月28日

「【”抑圧からの解放”閉鎖的思考に捕らわれた大人達に対し、論理的にダンス禁止令廃止動議をするケヴィン・ベーコン扮する青年と、苦悩しつつもそれを認める牧師の姿も佳い。鑑賞後の爽快感が快い青春映画である。】」フットルース NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”抑圧からの解放”閉鎖的思考に捕らわれた大人達に対し、論理的にダンス禁止令廃止動議をするケヴィン・ベーコン扮する青年と、苦悩しつつもそれを認める牧師の姿も佳い。鑑賞後の爽快感が快い青春映画である。】

2022年3月2日
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鑑賞方法:VOD

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ー シカゴから田舎町に引っ越して来たレン(今作で、スターになったケヴィン・ベーコン)は、閉鎖的な街の雰囲気に驚く。
  ダンス禁止令が出ているし、ロックンロールも禁止されており、同級生は、”ポリス”すら知らない・・。

◆感想

 ・今作は「フラッシュダンス」と同じパターンかなあ、と思って鑑賞したら大きく違っていた。

 ・レンの自由な思想に惹かれていくエリエルの厳格な父であり、町の人々の信頼熱い牧師を演じるジョン・ゴスリーと、エリエルの母を演じたダイアン・ウィーストが良い。
 ダンス禁止令を”ある事件”に依り、提案した牧師。
 レンに惹かれるエリエルに”初めて”手を上げてしまった夫に対し、ダイアン・ウィースト演じる妻が、あの優しい微笑みを浮かべて
 ”貴方は、皆の尊敬を受けているけれど、一対一では弱い人・・。”
 ”町中の父親になるつもり?”と諭すシーン。
 - 今作では、キチンと人間が描かれている。-

 ・町内会で、レンがダンス禁止令を廃止する動議を出すシーンも良い。
 彼は、聖書を片手に持ち、
 ”昔から、人は狩猟や祝いの場では躍った。聖書にも載っているよ・・。主を称えるために、飛び跳ねて踊ろう”と牧師を始め町の長老たちに語り掛けるシーン。
 - ここで、レンが語った言葉は聖書に本当に記載されている。彼の知性を示しているシーンなのである。-

<抑圧された田舎町の古き慣習を、都会から来た知性的な青年が暴力を使わずに、打ち破って行く。町の牧師も悩みながらも、それを受け入れていく・・。
 今作は、人間がキチンと描かれた青春映画である。>

NOBU