劇場公開日 1999年8月7日

「20年間探していた作品」パラサイト ezioさんの映画レビュー(感想・評価)

4.520年間探していた作品

2024年3月3日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

興奮

物心つくかつかないか、の頃に観たボールペンに詰めたヤクを吸い込むときに鼻を塞ぐシーンや頭だけの女性が触手で歩くシーンが脳裏に焼きついて離れず、「あの面白かった(はず)の映画はなんなんだ…。」と、ずっと探してきたが、タイトルはおろか俳優の顔すらもまともに覚えておらず調べようのないまま似たシーンのある映画を観るたびにやきもきする毎日を過ごしていた。
そんなある日、某映画批評家3人が毎週鼎談し映画を語るYouTubeチャンネルをみているとその日は映画『ドミノ』の回。その中でロバート・ロドリゲス監督のフィルモグラフィーを辿っていると本作について「頭が触手で動いて〜」と触れているではないか!内容について触れていたのはほんの一瞬だったが、その一瞬で私は探していたものが本作であるとほとんど確信していた。すぐに某南米河川.comで検索しカートに入れたがなかなかポチらずにいた。それは、無くした財布の所在を瞬時に確信したことで焦りが刹那で安心感に変わるのと似ていて、もう答えが分かっている気分だったからのように思う。
そうしてぐだぐだとカートに入ったままだったが、つい先日やっと購入し鑑賞。やっぱりコレだ!
俳優を見てみると、当時観てしばらくするとヒットした『ロードオブザリング』シリーズのイライジャ・ウッドや、『ワイルドスピード』シリーズ主人公ドムの"リアル"ファミリー役でおなじみのジョーダナ・ブリュースター、そしてジョシュ・ハートネットなどなど有名どころも出演。でもやっぱり「20年前の自分には判別つかなかったろうなー」と思いながら観ていた。

作品自体も素晴らしく、1990年代後半の雰囲気(特にアメリカンハイスクールの)が大好きな私としても、ホラーでスリラー、学園モノでSFという全部盛りなのにそれぞれの要素が過不足のないシンプルなストーリーに仕上げている。複雑になり過ぎていないという完成度の高さ。
そしてなにより、好きな監督の1人であるロバート・ロドリゲスの作品だったことに驚いた。過去作全ておさらいしてないのに好きと言えるか?と言われればぐうの音も出ないが、公開順を見ると『フロムダスクティルドーン』と『スパイキッズ』という濃い濃い名作に挟まれている本作はスッポリ抜けていた。言われてみればクリーチャーの素晴らしく気持ち悪い造形やCGの感じは『フロムダスク〜』まんまなのだが。

兎にも角にも超個人的な理由で思い出深い作品だったこともあり、傑作だった!と言い切ります!!

ezio