劇場公開日 1987年12月12日

「今こそ本作を真剣に観なければならない 実は傑作だったのだ! 2021年の現代が、1987年の映画に既に表現されているのだ」バトルランナー あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0今こそ本作を真剣に観なければならない 実は傑作だったのだ! 2021年の現代が、1987年の映画に既に表現されているのだ

2021年10月27日
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鑑賞方法:DVD/BD

1987年米国公開
数えきれないぐらいテレビで何回も放映されたと思う
一時期は午後のロードショーとか土曜映画劇場の常連だったように感じる

何度か観たはずなのだが何も覚えていない
それくらいのテキトーな映画だし、そう言うスタンスで観ていたから何も覚えていないのだ

ところがなぜか急に観たくなり、超ひさびさに観て驚いた
テキトーな映画だから、ながら観する程度のつもりだったのに、のめり込んでみていたのだ

実は傑作だったのだ!
2021年の現代が、1987年の映画に既に表現されているのだ

テレビをネットに置きかえたなら、同じことは日本で起きている
「事実無根」のことが、さも事実であるかのようにネット空間を大量に飛び交い、犠牲者に誹謗中傷が集中豪雨のように浴びせかけられる
ネットリンチという言葉があるほどだ
一般大衆が、本作の視聴者のように犠牲者を求めて汚い心無い言葉を浴びせかけているのだ
本作に登場する観衆のように、犠牲者が苦しむ様を観て喝采をおくっているのだ

昨日までプリンセスだった方が、記者会見でそのことを指摘されているぐらいなのだ

「誤った情報が事実であるかのように取り上げられ、物語となって広がっていくことに恐怖心」と

本作のリチャードの冒頭の事件は、まるで中国の天安門事件のことのようだ
本作公開のわずか2年も経たないことだ

中国では、天安門事件のことは無かったことにされている
まるで本作のように、事実がねじ曲げられているのだ

本当のことを調べようにも、国外からの情報はフィルタリングされて本当の情報は中国国内では調べることも出来ない

中国でそんなことをすれば、すぐ当局に探知され逮捕され再教育されるのだ
政府を批判するような言説をネットでしようものなら、たちまち摘発されてしまうのだ
本作と一体どこが違うというのか?

ありもしないことをねつ造するフェイクニュース

発言内容を切り貼りして摘まみ食いして全く違う主旨にねつ造されてしまう

画像を細工したねつ造は、ディープフェイクと呼ばれて動画にまで及んでいる

本作で取り上げられたことは、どれも21世紀の現代では、目新しいことでは無くなっているのだ

最大手のニュースサイトが、心無い誹謗中傷を防止するため、コメント欄をAIで監視して投稿の削除や投稿制限を自動で行う対策を行うというニュースを先日読んだ

AIになにが誹謗中傷に当たるかを自ら学ばせるのだ
だから学習の内容によっては、AI も偏向するのだ
現に世界的なある超有名IT企業のAIはいつの間にか人種差別、女性蔑視するようになってしまったという

つまりAIをある意図を持って恣意的に学習させれば、都合の悪い言論をネットから排除する言論統制の道具として使うこともできるのだ

本作が描いた世界と何が違うというのだ

21世紀を見通した本作の恐るべき先進性は驚嘆すべきものだ

今こそ本作を真剣に観なければならない
1988年の傑作「ゼイリブ」は本作の1年後だ
本作が提示した視点に連なる作品に位置付られると思う

あき240