劇場公開日 2021年1月29日

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「主人公の人格と物語に整合性が感じられない。  ★2.9」バッファロー'66 レオンさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0主人公の人格と物語に整合性が感じられない。  ★2.9

2023年11月27日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

私には特に前半は見るのが辛い作品でした。 あり得ない最低人物像で意外性を強調し、その人物を好きになる少女が、これまたあり得ない言動でほぼファンタジー・・。

瞬間湯沸かし器で身勝手、"他者への配慮"なんて言葉は、この者の脳内に存在しない。 そして出獄して1時間以内に犯行。 流血暴力こそ振るってないが、性格はほぼ獣な主人公。 分析せずとも、まともなコミュニケーション等出来る様な人物ではない。
それにダンススクールに通っている様な少女が惚れるという脚本が唖然で無理筋。

私も10代~21歳位までは、作品の出来に関係なくとにかく沢山の映画を見た。 当時はレビューサイト等勿論なく、作品を点数で評価する事もなかった。(映画雑誌の論評にはあったかも)
なのでその当時なら、「へ~とんでもない主人公・・」ぐらいにこういう作品でも普通に見れたかもしれない。

が、いつしか年齢を重ねると、作り手側の思惑が見えたり、あり得ない設定や本筋以外での興味を引く事が多いあざとく感じる作品は、視聴が辛くなって来る。

今作も、遠ざけたくなるような主人公や、ほぼ病的な両親のシーンが続き、前半でリタイヤしようかと・・。
でも★平均が高い理由が後半以後にあるはず・・と続けて視聴。

たしかに後半は物語が進展し、心境の変化にSEXY描写やストップモーション映像などの見所が加味されているが、身勝手人物を信頼している親友の存在など、整合性が会わない脚本に違和感は払拭されず、感情が大きく動く事はなかった。

少女の「最後になりそう・・」との目の潤みが、犯行を留ませたと思える感動ポイントだが、それまで何一つの思いやりを示していない主人公にそれほど傾倒するのに無理を感じた。

尚この女性(クリスティナ・リッチ)が作中は27歳と語っているが、どう見ても16~17歳、(欧米人ならもっと若く見ているかも)演じた女優さんも当時18歳位。 主演ビンセント・ギャロは当時36歳ぐらい。 この年齢差をまったく表現していないのにも違和感。

ギャロ本人の監督・脚本・主演・音楽だが、選曲のセンスはよしとするも、思いつきを沢山詰め込んだ・・ぐらいにしか私的には感じずでこの評価に。

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レオン