劇場公開日 2020年12月4日

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「【面白さが詰まった物語】」バック・トゥ・ザ・フューチャー ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5【面白さが詰まった物語】

2020年12月6日
iPhoneアプリから投稿

BTFの3つのシリーズのリバイバルを改めて鑑賞してみて、ワクワクしたのは、やっぱり、Part1だなと思った。
物語の発想の斬新さと、登場するキャラクターの豊かさ、マーティーとドクの冒険、ジョージの成長、ハラハラドキドキ、そして、今感じるノスタルジーがバランスよくあるからだ。

ノスタルジーは、改めて今観たからだ。

初めにアインシュタインのタイムトラベルを試す駐車場の建物はJCペニーのだが、もともと経営不安が囁かれるなか、コロナ禍で今年5月にアメリカの破産法第11条を申請した、。

カセット再生機器は、aiwaブランドで、日本の音響機器メーカーのものだが、ウォークマン初号機からかなり小型化していた。
aiwa はもう、こうした一般消費者向けの機器は生産していない。
それに、このメーカーは、僕の母親が生まれ育った街に本社があることも、なんか嬉しい気持ちになる要因だ。

マーティーが早親に名前を間違われるブリーフのブランド名のカルビン(正確にはカルバン)・クラインは、この映画の5年後くらいにニットトランクスで爆発的に有名になるが、この頃、世界的には無名に等しかった。
だから、ヨーロッパの吹き替え版では、「あなたの名前はピエール・カルダン?」とか言われていたらしい。

バンカメは、名前は残っているが、デカい地方銀行に買収され、その後、金融危機時にはメリルリンチを買収した。

ダイエットコークも出たばかりで、僕は街で試飲してみて下さいと言われ、実は、あまり美味しくないなと思ったのを覚えている。
今のダイエットコークより、ずいぶん不味かったのだ。
アメリカ人は、デカくて甘いケーキやアイスクリームを注文するくせに、コークはダイエットという不思議な国民だ。

そして、ストーリーについては、初めて観た時、どちらかと言うと、物語の斬新さや、マーティーとドクの冒険譚にワクワクしてが、今回は、ジョージの成長がなんか嬉しかった。
歳のせいだろうか。

タイムトラベルものは、量子物理学の発展で、作りづらい世の中になってしまったように思う。
超ひも理論では、世界は11次元まであるらしいし、過去に遡って変化を起こしても、パラレルワールドが出来るだけで、今現在には影響がないという説も聞いたことがある。
ターミネーターや12モンキーズ、そして、BTFのようなストーリーは、もはや、それこそ未来ではなく過去のものかもしれない。
どちらかというと、インターステラーのような科学考証を加えて、荒唐無稽なSFをちょいと盛り込むかたちじゃないと、物語としては通用しないような世界になってしまったのかもしれない。
世界はそれほど都合良くは出来ていないということか。
それはそれで、知的なところは刺激されるが、ちょっと悲しい気もする。
まあ、いっか。

ワンコ