劇場公開日 1978年1月28日

「バッドエンド&ハッピーエンドの2バージョンありで、それにより映画の印象が全く変わる」ドクター・モローの島 アンディ・ロビンソンさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5バッドエンド&ハッピーエンドの2バージョンありで、それにより映画の印象が全く変わる

2023年12月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館、TV地上波

日本劇場公開版は、オチとして「当然ながらそうなるだろうね....」のバッドエンド・バージョンでした。

オチ違いに作られた別バージョンのハッピーエンド版では、話の(設定の)辻褄的に変であり、「そりゃご都合良すぎでしょう?」なツッコミが入るでことでしょう。

出演者の顔ぶれを見るぶんにはバート・ランカスター氏のみならず、脇を固めてるのもナイジェル・ダヴェンポート氏や、リチャード・ベイスハート氏だったりするのに、「なんで皆さんこんな映画に....?」な感じ、無きにしも非ず。

それと、何しろ製作総指揮が、
「金星人地球を征服」=金星蟹のやつ、
バート・I・ゴードン監督の「戦慄!プルトニウム人間」 &「巨人獣」
ブロンソンな「機関銃ケリー」&「空飛ぶ戦闘艦」 とかAIP「姦婦の生き埋葬」などを手がけているサミュエル・Z・アーコフ氏なので、なんかそれ分かるような気がする作品(なんともイカガワシイ)に仕上がっているんでしょうね。
因みに、今作もAIPです。

私は劇場初公開時に鑑賞したので”バッドエンド・バージョン”でしたから、取り敢えず、イヤな気分になりました.....

彼女=バーバラ・カレラにはその前にも『エンブリヨ(胎児)』というので、やはり救われない役どころでイヤな気分にさせられました.....

おかげで彼女を見るとなんかトラウマ状態にイヤな印象を覚えるようになってしまったのでした。

その後、その彼女が『ネバーセイ・ネバーアゲイン』でイメージの異なる”冷酷な悪女(ファティマ)”をやっているのを観て複雑な心境になりましたが、「あんな酷い目にばかりあっていたらムリからぬこと...」だと思いました(?)。

唯一、NHKで放送されていたのを観ていたオールスター・キャストのTVミニ・シリーズ『遥かなる西部 わが町センテニアル』の時だけは印象も良い役どころでしたけどね.....

今作品と似たような感じの設定のでは、
楳図かずお氏の漫画『半魚人』とか、千葉真一氏主演の東映作品『海底大戦争』なんか思い出します。
『海底大戦争』は拉致された人がサイボーグの半魚人にされちゃうんですけどね、ショッカー怪人の元ネタ的にもなってるワケでした。

参考までに、現在の放映版とソフト版は既に、アメリカ公開版のハッピーエンド・バージョンに統一されてしまったらしいです。
トラウマなバッドエンドよさようなら、の幻となりました。

アンディ・ロビンソン