劇場公開日 1967年12月16日

「007シリーズのファンであっても無理に観る必要は全くない」007 カジノ・ロワイヤル(1967) あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0007シリーズのファンであっても無理に観る必要は全くない

2019年4月26日
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鑑賞方法:DVD/BD

007カジノロワイヤルは2作ある
ひとつはダニエル・クレイグが6代目ジェームズ・ボンドを演じる2006年の本家のシリーズ
もうひとつが本作で1967年のものだ
時期的には本家シリーズの「007は二度死ぬ」の直前の公開作品

イアン・フレミングの原作第一作のお話
その権利が押さえられず本家が映画化できないのを良いことに元祖を名乗って映画化したもの

ハッキリ言って映画としては破綻しており退屈だ
つまらない

流石に製作予算だけは潤沢に集まったのか、一流スターを取り揃えた豪華かな顔ぶれ
美術、衣装なども金が掛かっておりチープさは皆無

ボンドが高齢となり引退しているが、請われて現役復帰する
その際自分の分身として何人もの007を立てて闘うというもの
つまり元祖はこちらと言いたかったのだろう
原作通りカジノでのバカラ対決もある
お約束の敵の秘密基地もでてくる
ボンドガールは山ほど登場する

しかし製作側が本家を上回る本格的な007シリーズを作る情熱を喪失してしまって、パロディ作品に逃げてしまったのだ

しかも監督が幾人も交代してなんとか完成したものだから、内容はひどいものだ
支離滅裂といって良い
評価できるとしたら、その支離滅裂さが1960年代のお気楽な空気感として快く感じられることぐらいか

ただ狙ってやっているなら、計算づくのパロディなら笑うこともできただろう
あまりにもお粗末で呆れるしかない
映画としては星はゼロだ

しかしオーソン・ウェルズ初め大スターを見れるので星1個
バート・バカラックとハーブ・アルパート&ザ・ティファナ・ブラスの音楽が余りにも素晴らしく星1個
それぞれオマケして星2個をつけよう

これでも最大限のオマケだ

2006年の同名映画とは比べもつかない
本家、元祖対決としてもネバーセイネバーアゲインの素晴らしい出来とは比較にもならない
007シリーズのファンであっても無理に観る必要は全くない

あき240