セブン・イヤーズ・イン・チベットのレビュー・感想・評価
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登山家が出会ったチベット仏教のダライ・ラマとの交流を美しく描いた歴史の一編
「愛人/ラマン」以来のジャン=ジャック・アノー監督作品。この人の演出は技巧的に特に優れたキレはないものの、正直でスマートなカメラワークの安心感がある。オーストリアの登山家ハインリヒ・ハラーが経験したダライ・マラ14世との貴重な交流を原作にしたヒューマニズム映画であり、中国共産党の人民解放軍によるチベット弾圧が扱われている点でも価値が高いメッセージ映画でもある。第二次世界大戦の激動の歴史に埋もれた一人の登山家の実体験の重みが、まず興味深い。このハラーをブラッド・ピットが演じているも、インドで捕虜になり脱獄しチベットまで逃げ延びたのだから、実際のハラーは自己中心的で一匹オオカミ的な性格であったと思われる。そんなアウトローの生き方をしていた人物だからこそ、ダライ・ラマとチベット仏教に自然と感化されて人として変化せざるを得なかったのではないかと想像する。ピットの演技もアノーの演出も、その変化を表現しきれたかと言うと疑問も残る。但し、デビッド・シューリスの演技が波長の合った共演を見せていて救われている。前半のピットとシューリスの登山シーンのスリリングな展開がいいし、二人の価値観の違いも会話に生きている。後半の、シューリスの腕時計をクリスマス・プレゼントにして返すシーンもいい。そして、ダライ・ラマ14世が侵略してきた人民解放軍の高官に語る台詞が素晴らしい。ここに、アノー監督の制作意図が凝縮されている。そして何より山岳地帯の風景描写の素晴らしさに心洗われる一編だった。
1998年 8月10日
共産国家の中華人民共和国からボイコットを受けたという事実は、もっと世間に知らしめる必要があるだろう。21世紀のジェノサイド問題に対して無関心ではいられない。事実は事実として映画に表現した果敢さは高く評価したいと思う。
みんな若い〜
なぜか観る機会がなかった作品。
20年以上も前のだった!
死ぬ思いで辿り着いたチベット。外国人がよくしてもらったのもラッキーだったのだろうな。
実話に基づく作品らしいけど、正直途中からチベットで何をしていたのかな、と疑問が。
特にピーターは結婚までして、仕事は何を?奥さんの仕立て屋の仕事だけ?
チベットでの生活、ダライ・ラマとの交流は平和で(中国に侵攻されるまでは)微笑ましかった。
英語が流暢な人が何人かいたけど、あれは事実なのか、気になる。
前半と後半で(どっちが長いかわからないけど)時間の流れや空気が真逆になった気がする。
分厚い物語を受け止めるジョン・ウィリアムズ
個人評価:3.9
素晴らしく格式高い作品。若き日のダライ・ラマとの交流と、チベットと中国との悲しき史実。
その分厚い物語を受け止めるジョン・ウィリアムズズの壮大な音楽。
力のある監督が、誰かの半生を丁寧に描いた作品は、やはり素晴らしく見応えがあり、作品性が高い。
またブラピのもっとも美しい容姿の時代の作品でもある。
波乱の人生
総合:75点 ( ストーリー:75点|キャスト:75点|演出:70点|ビジュアル:75点|音楽:65点 )
妻を残して遠い国で登山をしていたらいきなり戦争のため捕虜となり、異国で脱走をして死にそうになり、外国人立ち入り禁止の西蔵のラサに辿り着く。ダライ・ラマという異世界の長との触れ合いがあるが、だがそこでも歴史の大きなうねりに翻弄され、会えない子供のことに苦悩する。
なんという波乱の連続、その彼の激しい人生にどうなるのかと惹きつけられる。またその凄まじい経験から、最初は登山家として野望を持って青年は、最後にはもっと他人に対して愛情深い人への変貌していく。その変遷を見て心穏やかになる。
主人公ハインリヒ・ハラーの人生と共にもう1つの重要な主題が、中国による西蔵の侵略と弾圧である。国際社会では未だに中国の残虐さが糾弾されることが多い問題だが、これは現在進行形でもある。そしてただの侵略ではなく統治のため一説では100万人とも言われる数多くの虐殺と破壊も起きていると言われる中で、そのような場面の描写は短くて必ずしも強いものではなかったので、さらに生々しいものにしてくれた方が心に響いただろう。
最初に本作品を観た後で、映画にも登場するダライ・ラマの講演を聞く機会があった。詳細な内容は覚えていないが、高齢なのになかなかに力強い声と内容の演説をする人だった。それからまた観直してみるとさらにダライ・ラマと中国の弾圧について身近に感じた。
ウィキペディアで調べてみるとハインリヒと一緒にラサに辿り着いたペーターもまた波乱の人生を歩んでいて、彼のその後がおざなりになっているのは中途半端だった。あの描き方だと彼はそのままラサに死ぬまで残ったように思えてしまう。簡単でいいから最後の場面で彼についても言及があればよかった。
ダライ・ラマ
一見難しそうな内容ですが最後まで飽きることなく、解りやすく、そして美しい映像に引き込まれる映画でした。
見終わったあとにチベット、そしてダライ・ラマに興味が沸きました。
引き込まれる
久し振りに見返した、といってもブラピが家庭教師するくらいしか覚えてなかったので初見に近い。
映像は非常に美しい。20年前の映画であることを感じさせない。ストーリーもだれることなく、少しの笑いもあったりと、良くできている。
ダライ・ラマってまだ生きてるんやっけとwikiを見てみたら結局亡命するしかなかった様子で、80歳で未だ在位中、但し2011年に政治的権限を委譲してしまっていた。興味が湧いたのでブラピが演じた本人やダライ・ラマの自伝も読んでみたい。
中国軍が完全に悪者扱いなのはイメージ通りですんなり受け入れてしまうが、実際このままなのか?といった経緯ももっと知りたい。
最近いろいろな映画で息子を持つことの美しさを教えられている
めちゃくちゃよかった
ブラットピッドの悲しさにも、チベットの悲しさにも、すっと感情移入が出来た。中国がチベット兵をなぎ倒すシーンはほんとにつらかったし、最後ブラットピッドが息子と再会できたときはほんとに嬉しかった
しかもこれが実話に基づいてるだなんて。
チベット?なんか地味そう?なんて思わずに映画好きな人ならみんな観るといいと思う
チベットもブラットピッドも、家族も平和も好きになることができる
ブラピが若い!
公開当時随分と話題になっていたけれど見ていなかった。
ストーリーが良かった。チベットの様子、幼いダライ・ラマの聡明な感じなども良かった。傲慢なハインリヒではなく、もう一人の男の人が、かわいいチベット人の女の子と結ばれるところなんかも面白かった!
原作のSeven years I Tibet とはかなりストーリーが違うらしいので原作も読んでみたい。本当のハインリヒはナチス党員だったことなど、歴史的にもかなり興味深いので関連文献も読んでみたいな。
チベットと中国の現状を世界に知らせることに成功した点などからも、原作とは全く違った内容であっても意味があるのではないかと思った。
映画「セブン・イヤーズ・イン・チベット」の感想
ダライ・ラマとオーストラリア人登山家との交流を描いた映画で、中国の侵略によって平和なチベットが壊されていく様子が語られる。
中国による周辺地域への圧迫というのは今後もっと描かれていいテーマであると思う(できれば中国人の手によって)が、作りが少々荒ぽい気がする。
主人公は直情的だし感化されやすく、中国軍の描き方も少し安っぽい。家族関係のストーリーもダライ・ラマとの交流の裏返しであるが良くない。
けれども、チベットの自然や調度品の数々は美しくていいね。
ブラピ中国入国禁止
聞いたことありますねダライ・ラマ。そして現在の中共よるチベット侵略・弾圧。
それまでの第二次大戦前後の流れをチベットを舞台に西洋人が東洋でのエキゾチックな体験をノンフィックション?で描いた大変貴重な映画。王と私、硫黄島とか。
ブラピや監督は中国へ入国禁止にされてるらしい位な本当の話?
毎年ユダヤ人差別の映画がハリウッドで量産される中で、こうした非ユダヤ人の悲劇や弾圧を描いていることが重要です。
作品もブラピならではの魅力が出ていて飽きることなく見れました。
チベットへの深い敬意
ブラピが超ワガママ男で、妻の出産から逃れるために山に行くというひどい人でなしぶりが他人事ではなかった。オレも娘とは別々に暮らしているのだが、一目会いさえすれば転地がひっくり返るほど考えが変わるのにとひどく残念な気分を共有した。そんな彼がチベットの人々との触れ合いで心変わりする様子がたいへん自然に描かれていて素晴らしかった。ラストシーンのさりげない子供との触れ合いもとてもよかった。
その分、中国による狼藉行為には本当に腹が立った。こういった映画はどんどん作るべきだ。
どうして戦争なのか
なぜいつも人間は、力で支配しようとするのか。
なにかもっと別な方法はないのか。
そんなことを真剣に考えさせられる映画です。
何年か前に初めて観て、
今日、またあらためて観てみても
その間に状況はなにも変わっていない。
けっきょく、力だけでは、なにもかえられないということではないかと思います。
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