聖処女

劇場公開日:

解説

ニューヨークで自殺した亡命チェッコスロヴァキア詩人フランツ・ウェルフェルの小説の映画化で、1943年作品、脚本は「三十四丁目の奇跡(1947)」のジョージ・シートンが書き、監督には「追憶(1941)」「シカゴ」のヘンリー・キングが当たり、撮影は「アンナとシャム王」のアーサー・ミラーが担任した。主演は「ラブ・レター(1945)」のジェニファー・ジョーンズが、当時無名より扱てきされて承れ、新人ウィリアム・アイス「ミネソタの娘」のチャールズ・ビツクフォード「ローラ殺人事件」のヴィンセント・プライス「影なき殺人」のリー・J・コッブ、「ラブ・レター(1945)」のグラディス・クーパー、「追憶(1941)」のアン・リヴェア、「我等の生涯の最良の年」のローマン・ボーネン、「ブルックリン横町」のメアリー・アンダースン等が共演した。音楽はアルフレッド・ニューマン作曲である。なおジェニファー・ジョーンズが女優演技、アーサー・ミラーが撮影、アルフレッド・ニューマンが作曲で、それぞれ1943年度アカデミー賞を与えられた。

1943年製作/アメリカ
原題:The Song of Bernadette
劇場公開日:1949年5月

ストーリー

ナポレオン3世が第2帝政を布いていた頃のフランス。スペインの国境に近いピレネー山中の寒村ルードに、スウピルウという貧しい夫婦がいた。貧乏者の子沢山のことわざ通り妻のルイズは5人の子供を産んで生計はいよいよ苦しかった。ベルナデットはその長女であった。装い飾るわけではないのに天成の麗わしさにね界わいきっての美人の評判がたかかったが、惜しいかな健康に恵まれなかった。身体が弱いためか信仰心があつく、いつか彼女は聖霊ちを幻想するようになった。正直なベルナデットはそれを伯母に打ち明けると、伝え聞いた意地悪のジャンヌは散々嘲笑するのであった。そんな事でベルナデットの信仰が搖ぐものではなく、彼女は暇さえあればお祈りをしていた。ある日彼女は村はずれの洞窟で白衣の聖女の姿を見た。そして洞窟にわいている泉の水は、信仰篤い者の病を医するであろうというお告げを聞いた。ベルナデットはその帰る途中異常の興奮のせいか病身にこたえたのか路傍に倒れた。かねてベルナデットの美しさに心ひかれていた若者アントアン・ニコロオの家まで運んだ。洞窟の霊泉が死にかけていた1人の赤児を救ったといううわさが飛ぶと、近郷近在の善男善女が伝え聞いて、ルールドの村に集まって来た。しかしこの奇跡を識者は去って信じなかった。尼僧ヴォーズウさえ信じない。ルールドの警察署長長ヂャコメエは、愚民を惑わすとスウピルワを叱ってみたもののどうにもならず、かえってうわさが拡がる一方だった。検察官ウィタル・デュツワは遂に裁判を開き、ベルナデットを罰しようとしたが、彼女の清浄な魂の力はそれを果たさせなかった。やむなく裁判は洞窟に柵を張り、中の人の出入りすることを厳禁した。ところがナポレオン3世の息子が奇病にかかり、医薬が効かなく命且夕に追っていた折柄この話が伝わった。皇帝は霊泉を取りよせる。ふしぎや児は助かったので、棚を取りはずして善男善女の参詣は許されることとなってベルナデッテは妖女でないこと証拠立てられたわれである。ある日スウビルウの家をペライラマアル神父が訪れた。彼女はベルナデットを祝福し、そなはキリストの花嫁たるべき身であること、そのため修道院に入らねばならぬことを告げた。両親は愛する娘と別れることを悲しんだが、ベルナデットはほほ笑んだ。彼女が神父と共に修道院へ向かうときアントアンが別れに来て、私も一生ほかの女と結婚しないと誓うのであった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第16回 アカデミー賞(1944年)

受賞

女優賞 ジェニファー・ジョーンズ
撮影賞(白黒) アーサー・C・ミラー
作曲賞(ドラマ/コメディ) アルフレッド・ニューマン
美術賞(白黒)  

ノミネート

作品賞  
監督賞 ヘンリー・キング
助演男優賞 チャールズ・ビックフォード
助演女優賞 グラディス・クーパー
助演女優賞 アン・リベール
脚色賞 ジョージ・シートン
編集賞 バーバラ・マクリーン
音響録音賞  
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映画レビュー

3.0ピュアに生きてこそ

2023年6月11日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

聖母マリアと係わる話なので一度は観ておこうかと思いました。

 まず1943年と古い映画ですが、テンポや間の取り方が今の映画とどれだけ違うのか、観てて退屈に思わないか気になったのですが、全く問題なかったのが嬉しい! 画質も十分です。古い映画が好きな人や映画に詳しい人にとっては気にしない事でしょうが、私のように何となく観る人も居ると思うので。

 158分と長めだけど難しい話じゃないし、全体的にはSFぽい場面もあったりするからディズニー系のノリに通じる部分もあると感じました。吹替えがあれば子供も楽しめる内容だと思ったのでもったいないですね。アカデミー受賞作は古くても吹替え作ればいいのに・・・お偉いさんのグダグダ権力メリット話しは、個人的には少なめにした方が楽しめたなぁ。

 教養的な面もある映画なので、印象に残ったセリフをピックアップしました。
・罪人とは、悪を愛する人
・祈りは場所を問わない
・三位一体とは父・子・聖霊が一体であること
・(主人公ベルナデットが精神病か診察する際に) ---→「整形外科医の骨折治療とは訳が違うんだ」
→ 皮肉たっぷりだけど、骨折経験がある人は同意するのではと思った。

 泉の水が主人公(本人)には効かないってのは、生きてる間に奉仕の心など「幸せにこだまする5つの心」で接すれば永遠の幸せが訪れるからだよ。そんな気がした。
 仙人じゃないので現実は難しい。死んで感謝されても...そう思うこともある。忖度・姑息・打算的...そんな生き方を選択しがちな現代では、真面目で努力家・正直者は利用されるのがオチ。嫌われはしないが得はしない。才能の悪用。人徳のためか昨今は誉め言葉が多いけど、皆の幸せを思ってのことじゃないとね。もてはやされての得では、いずれ後悔、恨み、妬み等々の苦悩が待っている。。。

データ的なことには興味ないので、登場人物から感想を述べました。

ピュアに生きる大切さを掘り起こしてくれる映画だと思います。

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