劇場公開日 1958年12月24日

「サイクロプス!双頭鷲!骸骨兵!ドラゴン!」シンバッド 七回目の航海 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5サイクロプス!双頭鷲!骸骨兵!ドラゴン!

2019年10月29日
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鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

単純

興奮

レイ・ハリーハウゼン特撮の1958年の作品。
『アラビアンナイト』を題材にした“シンドバッド三部作”の第1弾だが、後の作品とは直接繋がりのあるシリーズ物ではない。
また本作、邦題が『シンバッド七回目の航海』→『シンドバッド7回目の冒険』→『シンドバッド7回目の航海』と幾度か改題されている。

話は、これぞTHE特撮冒険ファンタジー!
バグダッドの王子で勇敢な主人公、シンドバッド。
お姫様とのロマンス。が、身体を小さくされてしまった…!
姫を小人にした魔術師の陰謀。
姫を元の身体に戻す冒険へ。航海中の嵐、乗組員として雇われた囚人たちの反乱…危機の連続。
乗り越え、辿り着いた目的の島。山のようなお宝に、魔法のランプ。こすると、ハイテンションでマシンガン・トークの青いウィル・スミスではなく、ちょっと頼りなさげな少年姿のランプの精だけど…。
そしてこの島は、魔の島だった…!

一つ眼の巨人、サイクロプス!
双頭の巨大鷲!
鎖に繋がれた凶暴なドラゴン!
襲い掛かる骸骨兵!
見せ場いっぱいのハリーハウゼン特撮!
どれも甲乙付け難いが、
サイクロプスはハリーハウゼンが創造したモンスターの中でも特に有名。人間を捕まえ火に炙ったり、主人公たちとバトルを繰り広げたりと、芸達者!
巨大双頭鷲は造形も動きも素晴らしい。
クライマックスのサイクロプス対ドラゴンは、こういうのが見たかったと思わせてくれるくらいのファンサービス!
だけどやはり何と言っても、ハリーハウゼン特撮の代名詞とでも言うべき骸骨兵。主人公との一対一の闘いは、その特撮技術のレベルの高さに今見ても驚かされる。

演出や演技などはちと緩い点も。
が、それを充分過ぎるほど補うストップモーション・アニメーション+実写+合成の“ダイナメーション”。
楽しさと冒険と夢とロマンのファンタスティックなハリーハウゼン・ワールドへ!

近大