「幼い版「マディソン郡の橋」」終着駅 KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0幼い版「マディソン郡の橋」

2020年7月20日
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“恋は盲目”とは良く言いました。
愛に燃えるこの二人、
周りが全く見えなくなってしまっている。

列車に置いてきた娘への道産子、
忘れられたポーターに預けたボストンバッグ、
全く気が付かない近づく列車、
停車中車両への侵入を罪と自覚出来ない、
終いには決定的な危機を寛容に救ってくれた
警察の駅室長に充分な礼も言えない二人
(男性は全く)。

(※それにしてもこの室長、
素晴らしく良く出来た人間だった。
彼女に列車に乗るのかと質問すること
により不倫を諭す、
なんという人生の先生だろうか)

また女性は不倫の進展で夫や娘を
深く傷付けてしまうことを頭で理解しつつも、
周りが全く見えなくなるほど自分に迫る彼
を突き放せない。
想像するに彼女は今の夫と結婚する際は
情熱的な恋の結果では結婚出来ていなかった
のだろう。
もしその経験があったらもう少し
自分以上に盲目的になっているジョバンニ
を理解し諫めることが出来たのでは。

多分に結婚する時はしっかりと
燃えるような恋をしてからでないといけない
のかも(自分のことは不問(笑))。
すいません、
これは映画評論ではありませんね。

このような不倫の男女の想いを深く描けたのが
「マディソン郡の橋」でしょう。
不倫は人生の年輪を充分刻んだ上で行って
初めて美しく耀くのかもしれません。

KENZO一級建築士事務所