劇場公開日 1951年8月28日

「良作」邪魔者は殺せ kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0良作

2019年3月19日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 なにしろ8か月投獄されていて、脱獄したジョニー・マックィーン(メイソン)。工場を襲うときもめまいがしていたようで、映像が斜めになったり白いフィルターがかかったような映像の工夫があった。仲間の車に乗ろうとしたのに、運転手が乱暴だったため、振り落とされて一人逃げるはめになった。ジョニーを見捨てた仲間たちも反省して、彼を救う方向に動くのだが、2人は警官に射殺される。

 信頼できる仲間デニス(ロバート・ビーティ)は真剣にジョニーを探す。見つけたとき、デニスは左手を撃たれたジョニーのふりをするため包帯を巻いて、囮となって警察を混乱させる作戦に出た。しばらくして、デニスはあっけなく捕まる・・・なかなかのキャラだったのに。

 その後はフラフラになりながら彷徨うジョニー。車にはねられそうになり、婦人たちに助けられたり、辻馬車に偶然乗り込んだり、パブに入って閉じ込められたり・・・そして、トム神父や鳥好きのシェル(F.J.マコーミック)や売れない画家ルーキー(ニュートン)といった個性的なキャラが増えてくる。

 もう死にそうなほどのジョニー。心配するキャスリーン(ライアン)は彼を見つけたら、心中する覚悟。懸賞金をもらいたいシェル。生と死をさまよう人間の目を描きたいルーキーと、それぞれの思いが交錯する。やがて、ジョニーを見つけたキャスリーンは心中するつもりで銃を手に持つが、警官隊に射殺される・・・

 カットバックやモンタージュといった編集技法が発揮され、朦朧とするジョニーの視点も見事に描いていた。そうしたテクニック以外でも、ジョニーに対する市井の人々の対処の仕方がみんな違うところも面白い。

kossy