劇場公開日 1966年6月14日

市民ケーンのレビュー・感想・評価

全34件中、21~34件目を表示

3.0冒頭のオブジェの謎解き

2020年7月23日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

新聞社経営で巨万の冨を築いた経営者の人生を回想で描く。

最後に発した言葉「バラのつぼみ」とは何だったのか?というセンタークエスチョンに観客を引き付ける。巨万の冨を得られたが、結局、愛は得られなかったという展開。

新聞記者が生前の主人公を知る人物を取材して回想する展開。最後に「バラのつぼみ」と書いた少年期で遊んだそりが燃やされていくエンディング。構成力が高いと評価される所以。

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菜野 灯

4.0素晴らしい功績を残したが…

2020年5月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

 映画における革新的な技法を生み出した名作中の名作。しかしながら、その素晴らしき技法をみっちり詰めこんだ作品に尽きたが故に、今日の観点から観てしまうと全く面白さを感じとることができないようです。でもそれはつまり、この作品が生み出した功績を我々は知らずのうちに全面的に享受していることを意味しているのです。
 外側から窓を捉えたショットから、少しずつ窓に向かって近寄り、そのまま窓を通り抜けて内側を映し出す技法は、当時誰も見たことのない斬新な演出で後の殆どの映画に多大な影響を与えたようです。クレーンを使った撮影も当時はとんでもないほどの衝撃だったでしょう。高い位置から降下する没入感や、鳥にでもなったかのような強い衝撃と映像体験だったに違いありません。
 ケーンがスキャンダルによって選挙に敗北した直後のシーンでは、カメラの視点が足元から見上げるようなローアングルで敗北感とマイナス的印象を与えていると同時に、ケーンの変わらない傲慢さを感じますし、オーソンウェールズの顔を映し出す影も、哀愁と孤独感を大いに漂わせる演出です。同じオーソンウェールズの「第三の男」なんてまさに影の映画ですしね。光と影の調整なんて、今日では絶対的に外せない超当たり前の技法で、ほぼ100%の映画で行われている演出なんじゃないでしょうか。
 今では当たり前である映画的手法の生みの親みたいな映画だから、今の我々から観れば全然面白くないのは当然です… でもそれがかえって、この映画がいかに多大な功績を遺したのかを物語っているように思えます。

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D.one

4.5映像技術を極めた映画遺産の是非

2020年4月17日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、TV地上波

”独創的な回顧の話術と全焦点撮影の持続的演出”(飯島正氏)の形式で構築されたオーソン・ウェルズ監督の強固で大胆な映画遺産。”現在ではもう消化されつくして目にもつかない”(同)が”オリジンの状態で探ってみる”(同)意義は大きいと思う。驚嘆すべきは、冒頭の報道フィルムのモンタージュ表現と編集力の素晴らしさ。英語の持つリズミカルでテンポ感あるナレーションの語調が、そのまま映像の流れに融合した感覚の鋭敏さ。「怒りの葡萄」の名匠グレッグ・トーランドの撮影、「ウエストサイド物語」の巨匠ロバート・ワイズの編集と、超一流のスタッフが25歳の魔人オーソン・ウェルズを支え映画技法を極める。

ある新聞王の生涯を追跡する使者は、彼の謎の遺言”バラのつぼみ”を解明出来ずに終わる。だが、映画は観客には暗示的に教えてくれる。富と名声を享受した偉人の満たされぬ愛の彷徨を衝いた劇的手法にある、単純で明快な人間洞察の結末をどう評価しよう。内容と表現の勝敗は明らかだ。余りにも表現が優れている。

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Gustav

2.0世評の高さとの落差が大きすぎて…

2017年9月3日
PCから投稿

ネットで視聴(英語字幕)

数ある映画のリストの中で、いつもベスト5以内に入っているきわめて評価の高い映画だが、その理由は、この映画が数多くの革新的な技法をもたらしたので、映画監督や映画監督を目指す人、映画を教える人たち、そういった、いわば玄人の間でウケが非常にいいからだろうと思う。
じっさい見てみると、専門家ではない自分にとっては大した映画ではなかった。

まあ最後の部分はハッとさせられたし、冒頭のコールリッジの「クブラ・カーン」の引用はカッコよかったけれども、それぐらいかな、印象に残ったのは。

世評の高さと食い違うもうひとつの理由として、芸術作品(映画が芸術作品とすればだが。イマイチ確信が持てないが)の寿命ということがあるのではないか。

映画の寿命は、100年持たないのではないだろうか。

映画の場合は、オーソン・ウェルズがもたらした撮影技法(非常に効果的なのでいまでは誰もが使っており、その点でこの映画の功績は大きいらしい。門外漢のわたしにはどんなものかわからないが、それと映画の面白さは別だと思う)ばかりでなく、トーキーだとか、フルカラーだとか、ハードの部分も時間とともに大きく変わる。

いまから100年後の映画の形態は、ちょっと想像がつかない。
そういう条件下で作られるので、作品はすぐ古びてしまうのではないか。

映画よりも、音楽の方が、まだ寿命が長そうだ。
18世紀から19世紀はじめの古典派の音楽家たち、ハイドンやモーツァルトやベートーベンは、今でもクラシックの主流中の主流だし、17世紀のバロックだって、バッハやヴィヴルディらがいて勝るとも劣らない。

それより前になると、だんだんなじみが薄くなる。
それ以前の、たとえばルネサンス期や中世の音楽は、限られた愛好家はいるにしても、専門家の分野といっていいのではないか。
そうすると、音楽の寿命は、300~400年か。

次に長いのは文学だろう。
文字で書かれたものであれば、新約聖書にわれわれは感動することができるし、もっと遡ってギリシャ悲劇やイーリアスやオデュッセイアもある。
中国には詩経も論語もある。
口承の時代を含めるとすれば、文学は、絵画とともに、もっとも古くからある芸術の形態ではないだろうか。人類の起源とともにはじまったといってもいいかもしれない。

前評判との落差の大きさに、そんなことまで考えてみたのでした。

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Ravenclaw

4.0レトロだけど。

2017年7月21日
PCから投稿

レトロだけど、カメラワークがすごすぎる。本当に今の映画の映像技術はこの映画が走りなんだな〜と思いました。

”ローズ・バット”おしゃれですね〜

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ハワイアン映画道の弟子

3.5オーソン・ウェールズの監督デビューでの主演作品だが、その演技力にひ...

2017年1月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

オーソン・ウェールズの監督デビューでの主演作品だが、その演技力にひたすら圧倒される。全てを手に入れたかに見える富豪の空しさがスクリーンから滲み出てくる。名作と頷ける映画だった。

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tsumumiki

3.0米映画協会でNo.1だが・・

2016年7月11日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

難しい

米映画協会の「アメリカ映画ベスト100」の中で第1位というのでDVDを購入して観た。結論から言うと予め知識がないと解らないということだ。まずケーンは新聞王ハーストという実在の人物を描いているということ。当時ハーストは新聞の記事を使ってこの作品の評価を故意に落としたということ。ハーストは「バラのつぼみ」を愛人の性器の隠語として使っていたこと。またこの作品は、カメラワークや光と影のコントラストの使い方、ストーリー展開が1941年当時は斬新だったということ。本人の死亡ニュースから始まり、インタビュー形式で本人像を表したり「バラのつぼみ」の秘密が最後まで明かされなかった点などが優れていて、映画をひとつの作品としてサイレントから引き上げたという。日本人には解らない資産家ハーストに対する思いがアメリカ人にはあるようだ・・オーソン・ウェルズが25歳のときの監督・主演の作品。1941年のアメリカ映画。

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亮一君

4.0愛されずに育った富豪の人生

2016年3月12日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

難しい

この映画が作られた年代やほぼ1人で成し遂げた事を踏まえると、とんでもない。
何回も観たくなるタイプではないが、確実に映画とはなんたるかを構成する要素を生み出した意味ある作品になっている。

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佐ぶ

3.5解説を聞いていたのでなんとなく分かった。当時は画期的な撮影技法も解...

2016年3月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

解説を聞いていたのでなんとなく分かった。当時は画期的な撮影技法も解説なしだと分からない。

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マサロック

2.5前評判ほどでは…

2016年1月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

映画史上に残る傑作だと聞いていたが、その理由はわからないでもない…

ただ個人的には、主人公に魅了を感じなかった。

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tbgoh

3.0過去の名作

2014年12月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

寝られる

富豪偽善者の虚しき末路を長々と退屈に描ききった過去の名作。

偉大なる金持ち、チャールズ・ケーンが死に際に残した言葉を巡り、彼の仮面を剥がしていくといった内容。
「誰もが認める成功者」それは自分を大きく見せるため、孤独を隠すためのハリボテにすぎなかった。

今の僕たちからすると完全に色褪せてしまった作品であるのかもしれない。
いやはや、平成生まれで この作品をベタ褒めできるのは 今まで40年代の作品しか見たことのない方か、人一倍ポジティブな視点をお持ちの方のみだろう。

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映画Kan

3.5そり遊び

2014年10月4日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

難しい

有名な作品ですが難しそうなので敬遠していたのですが借りたDVDに解説がついていたのでなんとなく理解できた気がします

親は子供のためを思ってしたのでしょうが
さすがに勝手すぎるだろうと思いました

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karakorum2

5.0類いまれなる映像表現

2012年4月7日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

41年当時にこの作品を作ったウェルズは周知の通り天才としか言い様が無い。
フラッシュバックで語るこの作品の手法が映画界に与えた影響は計り知れない。
現に、私は昨日「アメリカン・ビューティー」を観たが、この映画もストーリーの展開の仕方は「市民ケーン」と全く同じである。
そして、オスカーを獲得した実績がある…。

ワンカットの情報量がとてつもなく多いことが冒頭から分かる。
また、映像表現が類いまれ無く上手い。
ケーンを知る者によって語られる彼の過去を詳細まで垣間見ることによって彼のその時代時代の発言に説得力が生まれる。
そして、その人物像を隅々まで描き出し語られる彼の生涯を集約した名台詞は鳥肌ものだ。

この作品は映画として上手く出来ているのは、完全に"観客"を意識して展開される点だ。
結局、登場人物達には「薔薇の蕾」と言う謎を残したままだ。
しかし、観客には映像によって真実が語られ、ケーン少年が遊んでいたソリを頭の中でフラッシュバックさせられ「はっ」と思い、さらにあれだけ克明に語られた彼の人生の回想は企業家、権力者としての人生であり、彼が失ったものは"少年時代"であったことに気がつく。 そして、そこであの名台詞の意味の深さに気付かされる。

言うまでもなく傑作だ。

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keita

4.0誰も知らない

2011年1月24日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

世界で3番目の資産家ケーンが最も欲しかった物は金ではなく「バラのつぼみ」だった。

ケーンの死後、記者がケーンとは何者かを調べるにあたりその「バラのつぼみ」とはなんなのかをケーンに近しい人間に聞いて回るも誰もソレについて知らない。
前妻も親友もケーンに長年使えた執事もソレについて答えることができない。英語で、欲しい物で人が分かる、という格言があるが一番欲してた物を分かってもらえなかったケーンは空いたピースを埋められないまま死んでいく。

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綾小路田中