死の王

劇場公開日:

解説

死体性愛というタブーを描いた問題作『ネクロマンティック1、2』(V)で悪名高きドイツの映画作家、ユルゲ・ブットゲライトが『ネクロマンティック1』に続いて自殺と死をテーマに描いた1編。監督のブットゲライト、製作・撮影のマンフレッド・オー・イェリンスキー以下、スタッフのほとんどが『ネクロマンティック』と同じメンバー。音楽は『ネクロマンティック』の主演俳優でもあるダクタリ・ロレンツと、“月曜日の男”として出演もしているヘルマン・コプ、ジョン・ボーイ・ウォルトンの共同。89年に製作されたが、ベルリン裁判所から「国内での上映禁止」ばかりか「作品のネガはもちろん、その映画の製作に関わった全ての素材の廃棄処分」、さらに「ドイツ国外持ち出し禁止例」という前代未聞の裁判命令を発令された。日本での劇場公開に当たっては、監督自らニュープリント作成のためにネガを海外に持ち出し、国外の現像所で作業の後、再びドイツ国内にネガを密輸するという手段を経て、ドイツ映画配給協会の協力で「日本国内のみ限定上映」という条件で公開された。

1990年製作/80分/ドイツ
原題:der Todes King
配給:アルバトロス・フィルム
劇場公開日:1996年9月28日

ストーリー

月曜日、睡眠薬を飲んだまま自殺する男(ヘルマン・コプ)がいる。徐々に腐っていく男の死体に挟まれて、彼から遺書を受け取った人々の様々な自殺の光景が描かれる。火曜日、レンタル・ビデオ店でナチスの拷問ビデオを借りた男が恋人を射殺する。男は血の飛び散った壁に額をかけ、素敵な現代アートを作り出す。水曜日、愛し合っている妻とどうしてもセックスできない男が、雨の中で頭を撃ち抜く。木曜日、峡谷にかかる橋から飛び降りた者の名前が次々にスーパーインポーズされてゆく。金曜日、一人暮らしの女が羨望の眼差しで見つめるカップルは、愛の絶頂で心中を選ぶ。土曜日、肩に8ミリカメラを縛りつけた女がギグ中のライブハウスに乱入し、撮影しながら客やバンドマンに向かって銃を乱射する。日曜日、朝目覚めた男が悲鳴を上げ、壁に頭を繰り返し繰り返し打ちつけて死ぬ。

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