劇場公開日 2016年4月16日

「理性を狂気として突きつけられる時、人間は自らの本当の問いに出会う。...」地獄の黙示録 ESSAIさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5理性を狂気として突きつけられる時、人間は自らの本当の問いに出会う。...

2017年3月14日
iPhoneアプリから投稿

理性を狂気として突きつけられる時、人間は自らの本当の問いに出会う。壊れなかったものたちは信仰を貫く、死ぬまで。壊れたものたちは信仰を産み出す、生きるために。いや、どちらにせよ一度壊れている。そして、古いものを更新するか、新しいものを受け入れるか、あるいはその両方か。綱を切断され、人間は自らの足を曳く。黒く粘着質の精神の底で呼吸を奪われながら。悲しいアメリカ人は壊されたまま、何も持たずに家に帰る。国家。空虚な家。川の終わりの文明と変わることのない、飾られた箱。みな踊り、牛を倒して食らう。地獄はみずからの家の底にいつもある。

ESSAI