地獄特急(1957)

解説

ジョン・クルスとサイ・エンドフィールドの共同脚本をエンドフィールドが監督した、砂利運搬のトラック運転手が主人公の異色活劇。撮影監督は、「マレー死の行進 アリスのような町」のジェフリー・アンスワース、音楽はヒューバート・クリフォード。主演は「スピードを盗む男」のスタンリー・ベイカー、「マダムと泥棒」のハーバート・ロム、「魅惑」のペギー・カミンズ、「デッドロック」のウィリアム・ハートネル。

1957年製作/イギリス
原題:Hell Drivers

ストーリー

地獄の運転手--それは砂利場から建築場へ砂利を積んで一回でも多く運び割増金を得ようと競い合う十トン・トラックの運転手たちである。運転手仲間の親分レッド(パトリック・マクゴーハン)は腕っぷしの強いのをカサにきて仲間に卑劣な妨害を加え記録保持者として君臨していた。新参者のトム(スタンリー・ベイカー)は、このレッドに強い憤りを感じていたが、金もなく、しかも他人名義の免許証で働いている身としては何ともできなかった。その免許証はここの運送会社の社長カートレイの女秘書ルシイ(ペギー・カミンズ)がトムに好意を示して適当に作ってくれたものだった。運転手仲間のうちトムはイタリー人のジノ(ハーバート・ロム)に好意を感じて彼と親しくなったが、ジノとルシイは金ができたら一緒にイタリアへ帰ろうと互いに語り合った間柄だった。そのルシイの口から、ある夜トムはレッドと社長のカートレイが運転手たちの給料の不正支払を行っているということを聞いた。トムはレッドに怒りをぶちまけた。殴り合いの末トムは勝った。が、不正は相変らず続けられ、レッドは前にも増して危険な男となりトムへの支払さえ渋るようになった。トムは不正の事実を暴露しようと決心した。この気配を知ったレッドはトムの車に細工を施して彼を殺そうと計った。ジノが二人の争いに巻込まれ皮肉にもトムと決闘の破目となり、その果てに息絶えた。友の復讐を誓ったトムは今こそレッドを記録保持者の地位から蹴落そうと決意に燃えてハンドルを握った。これを知ったレッドは怒りに狂い、トムの後を追って石切場道路の頂上で彼のトラックめがけ、ぶつかって行った。が、レッドの乗った車は、みずからが細工をほどこした車だった。車もろともレッドは断崖から転落した。

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