劇場公開日 1971年7月31日

「ゴリラの着ぐるみとトレイをひっくり返され死ぬ男は頂けない」新・猿の惑星 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ゴリラの着ぐるみとトレイをひっくり返され死ぬ男は頂けない

2023年9月15日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

楽しい

知的

2回目の鑑賞
71年の作品
猿の惑星シリーズ3作品目

監督は『オーメン2 ダミアン』のドン・テイラー
脚本は『007 ゴールドフィンガー』『じゃじゃ馬ならし(1966)』『続猿の惑星』『猿の惑星 征服』『オリエント急行殺人事件(1974)』のポール・デーン

ジーラ&コーネリアス夫妻とその他1名がコバルト爆弾による地球最後の日に脱出しようと宇宙船に乗り込んだが衝撃で2000年前の過去の地球にタイムスリップする話
その他1名は学者で隣の檻にいたゴリラに首を絞められ殺されてしまう
ジーラは我慢できずしゃべってしまい人間社会はびっくり仰天
コーネリアスも妻の許しがあればしゃべります

今回は過去作2本に比べジーラ演じるキム・ハンターの表情の演技力が最高
とてもキュートだ
ただ単にチンパンジーの覆面を被っているわけでなく特殊メイクだからこそできる芸当
共産主義者のレッテルを貼られしばらく干されていたことを考慮すると彼女はもっと高く評価されていい

その反面で他1名の学者を殺害したゴリラが明らかに偽物で間違いなく安っぽい着ぐるみなのがとても残念
いくら70年代とはいえ天下のハリウッドだ
当時若かった自分はそれが許すことができず途中で観るのをやめてしまい地元のレンタルビデオ屋に返した

はじめは猿たちに歓迎ムードでほのぼのとしたものだが大統領に近い一部の者は快く思っていなかった
気に食わないから殺してしまえ
典型的なアメリカ人だ

ジーラはコーネリアスの子を孕っていた

給餌係があんな死に方をしたがあの程度のことで死ぬわけないだろ

なかなかジーラが見つからずイライラしてる男の発言で思い出した
そういえば僕が子供のころ世界では人口抑制が盛んに叫ばれていた
中国は一人っ子政策だったしインドは2人までが推奨された
今では逆に少子化が問題になっている
その通り願いが叶ったら今度は焦り出す
馬鹿だけならともかくインテリも
愚かな生き物だよ人間は

ラストが悲劇的でなければコメディーとして楽しめた

下に見ていた者が知恵をつけたら自分たちは支配されるかもしれないという不安
タリバン政権が女子に教育を受けさせないのもそれが理由かもしれない
AIに人間は仕事を奪われるという不安もそう
人間とは愚かなことだ

野川新栄