サム・サフィ

劇場公開日:

解説

あまりの自由にうんざりしたパリジェンヌが、ごく普通の生き方を求める姿をユーモラスに描くドラマ。監督・脚本は「ガーターベルトの夜」のヴィルジニー・テヴネ、製作はミシェル・プロペール、撮影は「ベティ・ブルー 愛と激情の日々」のジャン・フランソワ・ロバン、音楽はキザイア・ジョーンズが担当。

1992年製作/フランス・日本合作
原題:Sam Suffit
配給:巴里映画
劇場公開日:1992年8月1日

ストーリー

ストリッパーのエヴァ(オーレ・アッティカ)は、勝手きままでいい加減な毎日に嫌気がさし、仕事場から逃げ出してしまう。流れついた海辺の小屋には、“Sam Suffit”(もう、うんざり)の落書きが。パリに戻ったエヴァは、住み込みの家政婦を始めた。やっと落ち着いた勤め先は、デニス氏(クロード・シャブロル)とアルベール(ジャン・フランソワ・バルメール)の風変わりなホモのカップルの家。親切な彼らの勧めで、エヴァは昼間は市役所の窓口係としても働くようになる。上っぱりを着て勤めに出たり、税金や社会保険料を収めたりといった“普通の生活”が嬉しくてたまらないエヴァ。エイズ検査で“陽性(ポジティブ)”と診断され、「今日からポジティブに生きることにした」という親友シシ(ロッシ・デ・パルマ)の生き方も認めはするものの、エヴァには遠い世界のことのように思える。そのうちエヴァは“普通に母親になりたいと思い始める。エヴァの友人でホモセクシャルのピーター(フィリップ・バートレット)は、エヴァの変化を不安気に見守っていたが、彼女が子供の父親にイカれたミュージシャン(キザイア・ジョーンズ)を選ぼうとするのを見てなぜか許せなくなり、「僕が父親になる」とエヴァと一夜を共にした。ある日、エヴァの部屋を訪れたエージェントは、税金の納付証書やIDカードなどの書類に額縁をつけ壁に飾ってあるのを見て、「素晴らしいアート!」と賞讃、個展をプロデュースする。おふざけアートで一杯の会場の中、エヴァは大きなお腹を抱え、ピーターと共に幸福そうに微笑むのだった。

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