劇場公開日 1961年5月3日

「七人の侍より優れたものもある」荒野の七人 KIDOLOHKENさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0七人の侍より優れたものもある

2022年2月21日
PCから投稿

何と言ってスターが揃っている!!
七人の侍のスターといえば三船敏郎くらいだがこちらは違う。ユル・ブリンナーを始めスティーブ・マックイーン、ジェームス・コバーン、チャールズブロンソン・・・。これらの俳優が輝いていて、彼らが次から次へと出てくるので見ていてワクワクする。多分この四人は名前を全く知らない若い人が見てもとても魅力的に見えるに違いない。とにかくユル・ブリンナーは黒い服が似合いすぎる。若いガンマンに「お前にできるか?」てやらせてみて、その直後に自分がやるところなんか超かっこいい。スティーブ・マックイーンは持ち前のいい味出している。主役でないのにまるで主役のようだ。ジェームス・コバーンが渋すぎる。ほとんど喋らないのにキャラ立ちすぎている。そして何と言ってもチャールズ・ブロンソン。子供達に愛される怖い顔のチャールズ・ブロンソンが私は大好きだ。そして怖い顔の彼が本当に怖い顔で怒るシーンが一箇所だけある。・・若い頃は彼が怒る意味がよく分からなかったんだけど、自分が子育てが終わる世代になってくるとだんだん分かってくるというもんだ。あのシーンが一番いい!!
七人の侍は芸術映画という感じで気合を入れてみないといけない。それに対して荒野の七人は酒を飲みながら、おしゃべりしながらでも見れる娯楽映画で見やすい。若いガンマンが主人公になっていて普通に共感して見れる。七人の侍でやらなかったもう一つのラストシーンという感じでまとまっている。それから七人の侍で最後に生き残った官兵衛が言うセリフと荒野の七人のラストで長老がいうセリフとが、いかにも芸術映画と娯楽映画の違いという感じで・・・思い出しても楽しめる。
長い映画だが途中で休憩しても全然問題ないし、ぜひ多くの人に楽しんでほしいものだ。

タンバラライ