ケイン号の叛乱のレビュー・感想・評価
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部下から不信がられる不安定な艦長
ロバートフランシス扮するウイリーキースは大学を卒業し海軍に入隊し少尉としてケイン号に配属された。しかしケイン号は廃船に近い老朽船だった。ハンフリーボガート扮する規律を重んじるフィリップクイーグ少佐が新艦長として赴任し、キースは風紀係に任じられた。
ハンフリーボガート主演作だが、キースの恋愛物語もあったけど部下から不信がられる不安定な艦長だったね。
勧善懲悪ではない、微妙な正義
1943年、プリンストン大を卒業したウィリー・キースは、海軍少尉候補生として駆逐艦ケイン号に配属される。規律の乱れた艦内の様子にキースは落胆するが、新艦長のクイーグが規律を重んじる方針をとり、キースは歓迎する。しかしクィーグは、リーダーらしからぬ言動が目立ち始め。
不穏な緊張が広がっていく反乱までと、その後の軍法会議の二部構成になっています。典型的なリーダー失格像が、徐々に露見していく構成と演技に上手いなぁと感嘆しました。また終盤は弁護人のグリーンウォルド中尉が主人公で、彼の言い分にハッとさせられ、確かにそうだと観る者にも間違いを認めさせる説得力がありました。
『艦長が好きだからでなく、艦長が艦長だから従うのだ!』
面白かった。最後まで飽きさせないし。
法廷シーンから、裁判に勝ち祝杯をあげる士官たちに、
痛烈な皮肉を浴びせる、まさに立役者とも言える弁護士がよかった。
やはり、あの通信長が、艦長の精神障害を言い出さなければ、
反乱は起きなかったかもしれない。
善は、艦長か、士官側か。鑑賞後も考えさせられる。
ハンフリーボガートの演技は、素晴らしい。演じてるようには見えない。
総合エンタテイメント
戦争映画と思ったら、法廷劇までオマケについて、さすが世界的ベストセラーの原作だけはあります
ストーリーがしっかりしているので、普通に撮れば絶対に面白くなるはずですが、この作品は内容のシリアスに比べて全体に明るめ、軽快に話が進むところは「第十七捕虜収容所」を想起させます。
ボガート選手はこういう憎たらしい役をやらせると抜群ですね。
いるいるこんな上司、スタッフ
映画は誇張だが、大なり小なりこういう組織の長は多い
身近に思い当たる例があると思う
そしてまた自分が艦長と同じような事をしていたり、士官達と同じ様に対応したりしていることに内心焦り冷や汗をかくと思う
あるある話が凝縮されている
そして前任艦長が優秀では無いにしろ如何にベテランであったかを知る
幹部候補研修に使いたくなる映画だ
映画としても良く出来ている
終盤の祝杯のシーン、ラストのアイアイサーは名場面だ
ハンフリーボガードの演技は流石だ
裁判での彼のシーンは圧巻
強い印象を残す
元ネタは、1935年にアカデミー賞を取った戦艦バウンティ号の叛乱
これも名作
ここからエッセンスを抽出して良くまとめています
戦艦上の複雑な人間模様
・これまでの艦長は当たりがキツいが情の深い性格だった、新しい艦長は体裁ばかり気にする偏執狂な性格
・海軍士官を中心に対立的になるが、嵐の中艦長を交代した大尉が軍法会議にかけられる
・物語のキーとなったイチゴ紛失事件(笑)の馬鹿馬鹿しさ
・模型や背景の合成丸出しはお愛嬌
士官たちはどうすればよかったのか
総合70点 ( ストーリー:75点|キャスト:65点|演出:65点|ビジュアル:75点|音楽:65点 )
「クリムゾン・タイド」に似た社会派作品で、軍隊組織の規律や指揮官の指導力といったものが織り込まれていて、一体何が正解なのかを考えさせる見応えのある内容の物語になっていた。ただし士官たちの個性が薄くて登場人物の描き分けが弱いのが惜しい。時々合成画像が出てきたり模型が出てきたり時代考証の変な船が出てきたりはするものの、1954年制作のわりに天然色だし実際の軍艦を登場させていたりして映像はそれなりによく出来ていた。
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