剃刀の刃(1946)

劇場公開日:

解説

「雨ぞ降る」「快傑ゾロ(1940)」のタイロン・パワーが参戦出征して以来の復員第一回主演映画で、「月と六ペンス」「クリスマスの休暇」と同じくW・サマセット・モーム作の小説の映画化である。脚色は「運命の饗宴」のラマー・トロッティが当り、監督は「愛の勝利(1939)」「永遠の処女」のエドモンド・グールディングで、キャメラは「アンナとシャム王」「アバナデットの歌」でアカデミー撮影賞を得たアーサー・ミラーが指揮し、「アバナデットの歌」の作曲賞を得たアルフレッド・ニューマンが音楽を担当している。主演のパワーを囲って、「ローラ殺人事件」のジーン・ティアニー及びクリフトン・ウェッブ「センチメンタル・ジャーニー」のジョン・ペイン、この演技で助演演技賞をとった新人アン・バクスターが出演し、作者モームの役には「青春の宿」のハーバート・マーシャルが扮している。他にエルサ・ランチェスター、フリッツ・コートナー等が助演する。1946年作品である。

1946年製作/アメリカ
原題:The Razor's Edge
劇場公開日:1948年6月

ストーリー

第一次大戦が終わって間もなく、小説家モームはシカゴで、飛行士として参戦したラリイ・ダレルに会う。彼は深い懐疑にとらわれ、恋人イザベルがラリイの親友グレイ・マテュリンの会社に入って働くよう勧めても、彼は肯んじなかったし、イザベルと結婚しようともしない。そして彼はパリへ行き精神の安定を得んとしたが、やはりなすこともなく悩んでいる。イザベルは母とともに伯父エリオット・テムプルトンを頼りパリに来る。テムプルトンは金持ちの独身者で、贅沢な有閑生活を送っている紳士だ。ラリイにはそのような生活をして平気でいるのが不思議に思える。イザベルに再会した彼は、結婚したら悩みが解決できるかも知れぬと考えて、結婚した上で2人して正しい生き方と正しい信仰を探求しようと、イザベルに申し出た。彼女は怒った。定職もなく、人生の意義を考えたいという男の気持ちを、彼女は愚かしく思った。そしてイザベルはラリイとの婚約を解消し、以前から彼女を恋しているラリイの友グレイと結婚すべく帰米した。ラリイは北フランスの炭鉱に乗込んだ。労働が何かをもたらすだろうと思ったのでるが、そこでかつて僧職であったという坑夫コスティと知り合った。彼はラリイにインドのヒマラヤへ行けと勧めた。ある僧院に業をしている聖者の教えを受けろというのである。ラリイは直ぐにその聖者の門をたたいた。物資を超越した精神生活の実践、その東洋の聖道に彼は傾倒した。それから十年、グレイは1929年の大恐慌で全財産を失い、神経貧弱となったので、途方にくれたイザベルは夫と2児をつれて、パリのエリオット伯父のもとに身を寄せる。ラリイはモームと再会し、またイザベルたちと再会する。一同が下町のキャバレーへ行ってみると、イザベルの親友ソフィが墜落していた。夫と愛児とに死別して絶望し、ヤミの女になったのである。ラリイは彼女を救ってやろうとする。それを見るとイザベルは嫉妬の炎に胸をやかれた。グレイと十年の結婚生活を送っていながら、初恋のラリイをイザベルはいまも愛しているのだ。ラリイがソフィと結婚してでも彼女を救う決心であると知ると、イザベルは禁酒していたソフィに酒を勧める。ソフィは再び失除し、ラリイは探しまわったが見つからない。そしてソフィがツーロンで酔いしれていて何者かに殺されたと、いう知らせがモームからあった。エリオット・テムプルトンが病死し、その葬式に列したラリイは、アメリカへ帰ることに決め、イザベルに別れをつげる。イザベルは自分が愛する男はあなた一人だと言い、グレイと離婚して結婚したいと告白する。他人を犠牲にする利己一点ばりの愛は、まことの愛ではない、ソフィを死なせた責任も感じないのかーとイザベルを非難したラリイは、大西洋航路の貨物船の水夫となって乗り組み、アメリカへ向かったのである。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第19回 アカデミー賞(1947年)

受賞

助演女優賞 アン・バクスター

ノミネート

作品賞  
助演男優賞 クリフトン・ウェッブ
美術賞(白黒)  
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映画レビュー

3.0ていとうと書いてかみそりと読む

2022年1月30日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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kossy
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