劇場公開日 1976年4月3日

「今のハリウッドに足りないもの」カッコーの巣の上で 作品に向き合うゆき平さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0今のハリウッドに足りないもの

2014年7月3日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

悲しい

難しい

今作、映画通見習いと名乗っておきながら、未見であったので今更ですが、鑑賞。

いや〜これ39年前の作品ですか。素晴らしい作品だと思います。

とにかく全編、カンヌの作品かと思うほど、音楽をあまり使っていなく静かで、とにかく暗い。

だけど、〈ジャックニコルソン〉の存在が今作の暗さを和らげていて暗いだけじゃなくどこか明るい雰囲気を醸し出しています。

とにかく彼の笑顔を見る度にホッとさせられる。

ある意味、今作のMVPは〈ジャックニコルソン〉と言っても過言ではなく、アカデミー賞主演男優賞をもらったのも納得の演技。

しかし、彼だけじゃなく出来自体も凄く良い。

さりげないシーンがどこか記憶に残る。例えば水をかけるシーンですが、なぜかさりげないシーンなのに記憶に残りますし、好きなシーン。バスで脱走しちゃうのもなんだか微笑ましく、好きなシーンになりました。今のハリウッドにはこういうのが本当に足りない。リメイクばっかりするハリウッドを見て、なんだか悲しくなります。

さて、彼のおかげで出した暗いけどどこか明るい雰囲気は終盤で一変し、容赦がない展開が待ってます。とにかく本当に容赦がないので終盤はとにかく画面に釘付けで心が痛くなりました。そして、ラストでは人によっては絶望に見えるが、どこか希望もある素晴らしいラストシーン。

社会派な面もあり、評価も別れる作品ですが、当時見てたら確実に生涯ベスト10には入ってたと思います。

この時のアカデミー賞も良かったですし、納得の受賞。

今のハリウッドはアカデミー賞含めて、本当にあれなのでこの時に見た人はいいな…。

時代の流れが悲しくなりますが、当時見た方に嫉妬したくなる、とにかく素晴らしい作品でした。

まさに、不朽の名作です。

作品に向き合うゆき平