劇場公開日 1995年6月24日

「合成だけど至福の歌声に酔ってしまう音楽映画」カストラート 流山の小地蔵さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0合成だけど至福の歌声に酔ってしまう音楽映画

2013年12月11日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

興奮

萌える

 DENONの試聴室で視聴した『カストラート』の時代ドルビー(ドルビーレジスタードトレードマークTrueHD)版では、その音響効果の素晴らしさ以上に、主役のファリネッリを演じたステファノ・ディオニジの超絶的な声が素晴らしかったです(但し後述するように訳有りだが)それは、もはやこの世のものとは思えない響き。劇中でも魂を揺すぶられる歌声に、自作を盗まれて激怒していたヘンデルも脱帽し完敗を認めざるを得ませんでした。そして劇場の女たちは、まるで沢田研二やスパイダース(喩えが古いけど(;゜ロ゜))のライブのごとく、次々と失神し倒れていくのでした。こう書くと、大げさのように見えるでしょうけれど、実際に理想的な音響施設を整えた試聴室で視聴していると、本当に意識がふわっと持っていかれて、天まで昇るかのような心地よさに包まれるのです。
 間違いなく音楽映画が好きな人ならのベストワン
 ストーリーも兄リカルドと主人公の去勢にからむ真実の暴露、ヘンデルが音楽監督を努める劇場との興行バトルなど、起伏に富んだ展開を魅せて、飽きさせません。芸術の秋に、ぜひ本作で提供される楽曲に酔っていただきたいとお勧めします。

流山の小地蔵