劇場公開日 1968年2月24日

「犯罪悲劇」俺たちに明日はない ふみくんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5犯罪悲劇

2023年11月25日
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ニューシネマの金字塔と言われるが、反戦や社会風刺的な側面は少なく、ストーリーはただひたすら主人公カップル達が盗みや殺しと言った犯罪を繰り返して逃亡するというシンプルなもの。なにゆえ彼らがそうした生涯を歩むのか、ヒントは散りばめられているものの説得力に乏しく、脇役達の魅力もほとんどない。この映画にメッセージ性があるとしたら、案外保守的な家族愛や宗教観であろう。また、1930年代アメリカの牧歌的な風景や地方の衰退の描写は、フォード等の影響であろうか、他のニューシネマ作品とはかなり毛色が異なっている。
次々と犯罪行為を楽しんでいる様子を見せられると正直不愉快なものだが、だからこそ粛清の意義(?)があるという意味でも、保守性の強い作品である。

ふみくん