王者の剣

劇場公開日:

解説

新人リチャード・ウィルソンが製作し、美術監督出身の新人ネイサン・ジュランが演出に当ったテクニカラーの砂漠伝奇劇。脚本はジョン・リッチの書きおろし。撮影はモーリー・ガーツマン、音楽監督はジョゼフ・ガーシェンスンの担当。主演は「限りなき追跡」のロック・ハドソンと「ミシシッピの賭博師」のパイパー・ローリーで、ジョージ・マクレディ(「成吉思汗」)、スティーヴン・ジェレイ(「果てしなき蒼空」)、エドガー・バリア、ジーン・エヴァンス、アリス・ケリー(「すべての旗に背いて」)らが助演する。

1953年製作/81分/アメリカ
原題:The Golden Blade
配給:日本ユニヴァーサル映画会社
劇場公開日:1954年3月26日

ストーリー

父を何ものかに殺されたハルン(ロック・ハドソン)は、仇敵を求めてバグダッドへ来た。彼は古物商バーカスから黄金の刄の剣を買い、これで貧民姿の娘が町民にいじめられている所を救った。ハルンがこの剣で無頼漢に立向ったとき、この剣の威力はすばらしく、驚いた古物商が古文書で調べてみると、これは「ダマスカスの剣」と呼ばれ、その所有者には不敗の力を与えるものであることがわかった。貧民姿の娘は、実は変装して民情を視察する太守の息女カイルザン姫(パイパー・ロウリー)で彼女は家老ジャファーの息子ハディ(ジーン・エヴァンス)との結婚を強いられていた。これを嫌ったカイルザンは、少年に変装して逃げ出し、ハルンの助けで追って来たハディを撃退した。ハルンの男ぶりに惚れたカイルザンは、自分が男だと偽って彼に従ったが、ふとしたことで2人は牢につながれ、そこで2人の心は強く結ばれた。だがカイルザンは女であることがわかって王宮に帰され、彼女は騎馬試合で勝ったものと結婚すると宣言した。というのもハルンの持つ剣が不敗の剣であることを知っており、必ずハルンが勝つと思ったからだ。だがハディの情婦バカマラがこのことを盗み聞いて策をめぐらし、ハルンの剣を偽ものとすりかえた。試合の日、ハルンは魔法の剣を持つハディと相対し、敗れ去った。後にこのたくらみを知ったハルンは、魔法の剣をとりかえそうと城に乗り込んだ。ジャファーはハルンを刺し殺そうとしたが、姫と太守がそれを止めた。ジャファーはこんどは太守を刺そうとして誤って黄金の剣を石柱につきさしてしまった。そのさわぎの最中に太守は一味に殺され、ハルンは漸く難をのがれてカイルザンとともに城外へ逃れた。追手はあざむかれて2人が死んだものと思い引きあげた。ジャファーが石柱につきさした黄金の剣はどうしても抜けなかった。そこげ変装したハルンが乗り込み、ハディを殺し、隙を見て黄金の剣に手をかけると訳なく抜けた。そして石柱がくずれ落ちジャファーらの頭上に落下した。そのときカイルザンは善良な民衆たちをひきいて攻めよせて来たが、悪人が一掃されたことを知って、ハルンを太守に命じ、彼の腕に抱かれた。

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