劇場公開日 1989年6月28日

「シリアス・コメディ両刀遣いのルビッチ監督」生きるべきか死ぬべきか KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5シリアス・コメディ両刀遣いのルビッチ監督

2020年12月15日
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鑑賞方法:DVD/BD

第二次世界大戦の最中、
これほどにウイットに富み風刺の効いた
ハイセンスコメディ映画
が制作されていたのかと驚かされた。
もしこんな作品が、この現代に新作として
公開されていたら、相当な話題作として
評判になっていたのでは。

私は基本的にコメディ映画は苦手で、
なかでも時代風刺やヒューマニズムを欠いた
コメディは好まない。
しかし、この作品の全てを網羅した上での
高尚なウイット満載の内容には脱帽した。
しかも本来は深刻なはずの「天使」ような
三角関係要素を、今度は
コメディタッチで入れ込んだセンスは
見事と言うしかない。

チャップリンの「独裁者」と同じく、
時代観察者としての批評姿勢にも感服する。

ルビッチ監督映画としては「私の殺した男」が
シリアスタッチ作品の最高峰と思うが、
この「生きるべきか死ぬべきか」は
ユーモア・コメディタッチの最高峰作品
と言えそうである。

KENZO一級建築士事務所