マルキ・ド・サドの演出のもとにシャラントン精神病院患者によって演じられたジャン・ポール・マラーの迫害と暗殺

劇場公開日:

解説

ペーター・ヴァイスの戯曲をそのまま、「三文オペラ」「雨のしのび逢い(1960)」のピーター・ブルックが監督した。撮影はデイヴィッド・ワトキン、音楽はリチャード・ピースリーが担当。美術をテッド・マーシャル、衣裳にはグニルラ・パルムスティエルナ・ヴァイスがあたっている。出演は、イアン・リチャードソン、パトリック・マギーなど、王立シェークスピア劇団四一人の俳優たち。製作はマイケル・バーケット卿。

1967年製作/イギリス
原題:The Persecution and Assassination of Jean-paul Marat as Performed by The Inmates of The Asylum of Charenton under The Direction of The Marquis De Sade
配給:ユナイト=ATG
劇場公開日:1968年11月23日

ストーリー

一七九七年から一八一一年まで、シャラントン精神病院院長クールミエ氏は、入院患者の治療手段の一部として病院内で、患者自身による芝居を定期的に行なった。一八〇三年から一八一四年に死ぬまでの間、そこの患者だったサド侯爵(P・マギー)は、ここで行なわれた多くの劇の台本を書き、そして演出した。その当時のパリでは、その精神病院を訪れ芝居を見ると同時に、狂人たちの奇怪な行動をみることがはやっていた。そして今日もまた、そのひとつが上演された。フランス革命の過激派の領袖ジャン・ポール・マラー(I・リチャードソン)がシャルロット・コルディ(G・ジャクソン)という女に暗殺された事実にもとずく劇である。歴史上のふたりの極端論者の激しい衝突が描かれる。マラーは、社会改革よりは激烈な革命を求める男、サド侯爵は、厭世的個人主義者である。マラーは社会問題に全身を浸しており、サドは、それらからまったく遊離している。いくつかのエピソードがつづられて劇は進みやがて、マラーとサドの相対するふたりの人物の間に、悲劇は偏執狂的な若い女性シャルロットがあらわれ、浴槽につかっているマラーを短刀で刺殺して幕が下りる。小さな象徴的な狂気の世界を背景に、革命について、社会についてそして人間の運命について重大な問題が提起されて、映画もまた終る。が、それら問題の解答は何ひとつ与えられない。解答は観客自身が発見しなければならないのである。

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