劇場公開日 1999年7月31日

「意外に健全な映画だった」アイズ ワイド シャット 雨音さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0意外に健全な映画だった

2020年11月14日
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興奮

知的

萌える

信じていた妻が他の男に強烈にひかれたことがあることを知り、気持ちが落ち着かない夫ウィリアム。街での放浪がはじまる。これは現実的放浪というより彼の心の放浪のようだ。彼の心理の推移を表現する出来事が、次々と繰り広げられていく。

予想外の展開が楽しい。卑猥な大人の娯楽映画的な感じもある。
同時に、単純なようで複雑な男の心理と、夫婦関係の絶妙さが、おもしろい。

彼は妻子の命の危険を感じることで、やっと目が覚める。
また、いつの間にか妻の電話は結果的に彼をHIV感染から守ってくれていた。

そして最後は、≪男女間は不安定なもので誘惑も多いから、絆をいつもしっかり確認していこうよ≫という妻の言葉でキマる。

たしかに、考えてみれば、社会の中で安定した男女関係を保つのはなかなか難しい。
お互いを解き放つ居心地よさを大切にしながらも、互いをコントロールもし合う。そうしながら絶妙なバランスを保ちながら何とか存続していくわけだ…。

一見卑猥そうにみえて、なかなか理性的で健全な映画ではないかな。つまらないくらい。結局二人とも、不倫も遊びもしていないわけだし。

ついでに、ニコールキッドマンの演技は凄くよかった。トムのほうはいまいちだったような。やたら見られる笑顔が、この映画では何だか気になる。
そして演技の仕方が違うせいか、やはり?あまり似合いの夫婦という感じはしない。

あま・おと