劇場公開日 2020年10月3日

  • 予告編を見る

「メリーさんと横浜の「戦後」」ヨコハマメリー jarinkochieさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0メリーさんと横浜の「戦後」

2018年9月13日
Androidアプリから投稿

横浜市民にとって、メリーさんは「伝説」
出会うと衝撃が走るほど 真っ白なお婆さんだった
そして 一瞬で「戦後の歴史」を理解したものだ

それから 我々も生活に追われ、彼女の事を忘れたりしたが その存在は澱のように 心の奥底に沈んでいたことに、気付く!
彼女の痛みは 「港町横浜」の痛み、だったからだろう
だから メリーさんを見る眼は 比較的、温か だったように記憶する
(ただ、生活圏が近い人々とは 揉めてしまうこともあっただろう… 何せ、世界有数の潔癖症民族であるからして… HIVの件にしても、あの当時はピリピリしていた)

彼女は何も語らず、周囲の人々によって その存在が浮き彫りになってゆく
それでも謎が多いことも、惹かれる一因だろう
秘すれば、花 ということか

最後に 故郷の施設で、初めて彼女の素顔を知る
垢抜けていて 美しく、なんだか嬉しかった
(あの白塗りは 紫外線と嫌な思いを ブロックしたのだろうか… )
横浜を 懐かしんでくれたことも、嬉しい
メリーさんを支えた 周りの人々に 感謝したい

jarinkochie