劇場公開日 2006年3月11日

「貴女に涙を流させるわけにはいきません。ほら、この札束で涙を拭いて・・・あ、鼻水も出てます。貴女に鼻水は似合わない。この札束で拭いて・・・あ、ヨダレも・・・」ウォーターズ kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0貴女に涙を流させるわけにはいきません。ほら、この札束で涙を拭いて・・・あ、鼻水も出てます。貴女に鼻水は似合わない。この札束で拭いて・・・あ、ヨダレも・・・

2022年3月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 スポコンものや音楽映画など、青春サクセスストーリーを、ホストという職業に変えただけの映画かと思っていました。しかも難病少女も登場するし、青春してるし、「ゼロからのスタート」ならぬ「マイナスからのスタート」だったし。ふ~ん、なるほどね。などと簡単に終わらせない!騙されたですよ・・・

 新人イケメンホストたちが詐欺にもめげず、改装した「DOGDAYS」という店で取られた金以上のものを稼ごうとする。選ばれた7人の経歴もさまざまで、ホスト経験のある者は一人だけ。主人公良平(小栗旬)は大道芸人(ストリートパフォーマー)で世界一周するという夢を持ち、他のメンバーも元銀行員、元バスケット選手、元板前、元インテリア・コーディネーターなど各方面では秀でたモノを持ちながら、やむを得ぬ事情でホストとして身を立て直そうと考えていたのだった。「白雪姫」の“7人のドワーフ”をモチーフにして、心臓病を患ったオーナーの孫娘を救おうといった本筋と、ベンチャー企業で成功した5人の女性たちを客として満足のいく接客をするというクライマックスが待っている。

 ホストを華々しい職業として扱うのではなく、それぞれの若者たちの人生の目標といったテーマや、金に固執するよりも仲間を大切にするといったテーマで爽やかに描かれていました。一方の女性起業家たちは成功を収めた金満家であり、金を紙切れのように扱う傲慢さによって「金が全てだ」という風潮へのアンチテーゼともなっています。その中でも社長(真中瞳)だけは大事な何かを失ってしまったという喪失感のため、芸で世界一周という夢を持った良平に興味を持つのですが、彼女の憂いの表情がよかったです。そういえば、彼女も電波少年的世界一周を経験しましたもんね・・・

 う~む、しかし、まんまとやられましたよ・・・ネタバレしたいけど出来ない悲しさ・・・

【2006年5月映画館にて】

kossy