劇場公開日 2005年6月11日

「極上の恋愛映画」いつか読書する日 とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0極上の恋愛映画

2019年12月8日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

事情があって別れざるを得なかった初恋の恋人たち。その一方と結婚した女。
 言葉どころか目も交わさぬ恋人たち。本人たちは隠している想いなれど、関係者には密かに伝わっている。それを説明や台詞なしに、演技で魅せてくれる田中さんと岸部さん。
 「愛はないけれど情はある」誠実に妻を愛おしむ夫。なれど、”女”とみてくれぬこと・愛する人の幸せを邪魔しているのではと同時に嫉妬に悩む妻。切ない。

この二人と並走して描かれる、長年連れ添った夫婦。

読書。
作者との対話。
そして感想を言い合う仲間との対話。ー映画レビューと一緒。
読書を通して深めていくであろう、心の中のカイタとの対話。
現実世界での対話。内的世界での対話。

それぞれの孤独
それぞれの愛溢れた繋がり。

昼メロ仕立てにしても良い筋だが、
分別のある大人の三角関係をしっとりと魅せてくれる。
 なのに、終盤にカイタが美奈子に言う言い訳がこそばゆいのがみそ。

主人公の年齢に近くなり超えるほどに、愛おしくなる逸品。
名優ありきの作品だが、それをじっくり見せてくれる監督に感謝。

とみいじょん