「ラスト・キング・オブ・モンスターズ」ゴジラ FINAL WARS しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
ラスト・キング・オブ・モンスターズ
ゴジラシリーズ第28作。
ゴジラ誕生50周年記念作品。
母親と映画館で観ました。
良き想い出です。
公開当時は小学5年生。大好きなゴジラが終わると云うことで、大変悲しんだ記憶があります。毎年冬のお楽しみだったのに…。と云うわけで、映画館で観てみると…めちゃくちゃ興奮しました! 今までに無かった人間側のアクションがてんこ盛りで、ハリウッド映画みたいだと大層感動しました。
圧倒的な強さのゴジラは、他の怪獣を寄せつけず、瞬く間に瞬殺。公開までその登場が伏せられていたカイザーギドラですが、問答無用でカッコいいな、と…
シリーズ最後の敵に相応しいなと思いました。「ゴジラが終わるのは悲しいけれど、有終の美飾れたのでは?」と、しばらくの間興奮が覚めやらなかったことを覚えています…
やがて時が経ち、大人になった今観返すと、正直「なんだかなぁ…?」と思いたくなる部分がたくさんありました。
徒然なるままに書き連ねていきます…
人間のアクションは「マトリックス」の劣化版のようで、やたらとカッコつけてんじゃん(笑)。それに何よりちゃちいのよねぇ…。松岡昌宏やドン・フライ、ケイン・コスギがキレキレに動けるのは分かりますが、それにしたってもうちょっとなんとかならなかったのかなと思いました。
ゴジラと怪獣たちの戦闘にしたって、あまりにもゴジラ強過ぎやろ!―初鑑賞時は何とも思いませんでしたが、ヘドラとかクモンガとか、メインの怪獣以外の扱い酷過ぎやろ!―殆ど見せ場が無いじゃありませんか…。怪獣対決もプロレス感が強調されていて、人間が着ぐるみを着て演技している感じを受けました。怪獣じゃなくてもはや人間やで、これは…
平成版「怪獣総進撃」を目指すと云う触れ込みでしたが、そうじゃないだろ感が満載。冒頭の怪獣一斉出現は良かったのになぁ…。最終決戦の舞台も東京であることは良いのですが、X星人の猛攻撃で殆ど破壊されてしまっているので、都市破壊のカタルシスがいまひとつなのも残念です…
ラストの展開も子供騙し過ぎるのではないかなぁ、と…
ミニラを含めてみんなで「やめて!」ポーズをしたらゴジラが帰って行くって、なんだよそれ…。ゴジラは人間に怒っているんじゃないのかよ。そんな慈悲深げでいいのか?
人間からパワーを貰ったことによってカイザーギドラに勝てたわけですから、少しは恩義を感じたと云う解釈をするしか無さそうですが、果たしてそれでいいのか?
本作がゴジラシリーズの最終回として製作されたと云うことを考えると、本当にこれで良いと思ったのか、非常に疑問に感じました。自分自身に対しては、大人になるとこうも考え方が変わってしまうのかとしんみりしてしまいました。
―と云う感じでごさいます(笑)。
しかし、本作が嫌いなのかと云うとそうではなく、結構好きなのです。気が向くと観返しています。ゴジラ・ファンと云うこともありますが、何だかんだ言っても童心に返ることが出来るのは間違い無く、当時の想い出と合わせて、内容云々関係無しに大切な映画なのであります。
※鑑賞記録
2005/07/29:DVD
2005/12/30:テレビ大阪(怪獣キング決定戦)
2019/05/16:DVD
2020/10/10:Amazon Prime Video
※修正(2022/07/26)