劇場公開日 1977年12月

「変心っ!」或る夜の出来事(1934) 赤ヒゲさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0変心っ!

2022年8月21日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

冒頭からテンポよく、無駄のないハチャメチャな展開が実に小気味いいです!クラーク・ゲーブル扮する新聞記者ピーターと大富豪の娘エレン(クローデット・コルベール)は、たまたまバスで隣り合わせになるが、端からぶつかり合う。諍いが絶えない二人ですが、コメディタッチなのでクスクス笑えてとっても面白い。全く心を通わせることなく、何かというと言い争いながら、ひたニュー・ヨークを目指す珍道中ですが、あと3時間で到着というところでのまさかの「変心」が見物です!ここからラストまで一気に魅力倍増という感じでした。「ピーターは首だ!」と息巻いていた新聞社の社長や娘の結婚に反対ばかりしていたエレンの父親などの脇役がとってもいい味を出します。脇役が主役の添え物ではなく、登場人物みんなが生きている物語は本当に素晴らしいですね。ラストもクスッと笑えて、幸せな余韻が残りました。クライマックスで「エレン!」と叫ぶシーンでは、思わず「卒業」(67)でダスティン・ホフマンが「エレーン!」と絶叫するシーンを思い出しました(笑)。「ローマの休日」(53)の元ネタという噂もあれば、「ルパン三世 カリオストロの城」(73)にも類似したシーンがあったり、まさにロマンチック・コメディの原点ともいうべき秀作でした。

赤ヒゲ