千年女優のレビュー・感想・評価
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女優とは何か
『パプリカ』を観て、なんだか不思議と引き寄せられるものがあり、続けてこの作品を観てみました。
演出などは、やはり今監督だなぁと感じましたけど、作画が私としては『パプリカ』の方が好みでしたかね。あとパプリカは夢だけあって、空飛ぶシーンとかの爽快感がありましたけど、こちらはそうした爽快感は少な目ですかね。
いやぁ、しかし、ラストの台詞はなかなか考えさせられますね。女優って、簡単に分かったつもりになってはいかんです。
【再視聴】
ひょんなことから、もう一度、見る機会がありました。そしたら、前と全然印象が変わってました・・・ なんていうか、すごく良かった・・・ なので、ぐーんと評価を上げさせていただきました・・・(★2→★4) 前は何を観ていたんだ、オレ・・・ と反省・・・
千代子さんを好きになれましたね。なにより横顔が好きでした。
最後の台詞には、やっぱり考えさせられちゃいましたね。女優恐るべしであります。
日本アニメ映画最高峰
これ程記憶に残るラストの台詞はありません。
出会ったのは随分昔のこと。主人公と同じように、一生好きであり続けるであろう人が教えてくれた。
記憶に残るその言葉をずっと覚えていて、何年かたった今観てもやはり素晴らしい作品でした。千年先も語り継がれていってほしい。
若くして亡くなられた監督の才能が惜しい。いつか遺作が陽の目を見ることを願ってやみません。
すごい演出で純愛を描く
総合:90点
ストーリー: 85
キャスト: 85
演出: 100
ビジュアル: 80
音楽: 90
往年の大女優の取材訪問を通して、彼女の波乱万丈の人生を振り返る。しかしその振り返り方が尋常ではない面白く独特な演出で描かれる。彼女の出演した作品や取材や回想に物語が重なって、現実と映画作品と仮想空間が次々に切り替わりながら進んでいく。それを描く絵も時には昔風の映画のようだったり版画風だったりとひねりを入れ、次に何が出るのだろうかと期待させるし、戦国時代・江戸時代・近代にと作品の年代が進むのも歴史を駆け抜けるようでとても疾走感がある。
大女優として歩みながら、幼い彼女の心にともった限りない純愛を描いた物語も印象的だった。人生思うままにならないが、それでも彼女は自分が信じて追いかけるものをもっていた。その結末が幸か不幸かわからないが、儚さに美しさがともることもある。また映像に合わせた音楽が良い出来で雰囲気にあっているし、映画の最後に流れる歌「ロタティオン (LOTUS-2)」もまたよかった。
この演出のやり方には製作者の素晴らしい才能を見て取れた。監督の他の作品も是非見てみたい。そう思って調べてみたら、なんとこの監督、2010年に46歳の若さで死んでしまったらしく、これほどの才能の喪失が実に惜しまれる。
ウイキペディアによると、アメリカのアカデミー長編アニメ賞の候補作品にもなったが、結局ノミネートされなかったということだ。この作品に気付いていながらノミネートにすら選ばないなんて、見る目がないんじゃないかと思った。
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