劇場公開日 1979年12月15日

「【彼らはアルカトラズ刑務所から脱出出来たのか?それは、菊の花だけが知っている・・。】」アルカトラズからの脱出 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【彼らはアルカトラズ刑務所から脱出出来たのか?それは、菊の花だけが知っている・・。】

2021年1月24日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

幸せ

ー クリント・イーストウッドが演じた、知能指数が優秀なモーリスは実在の人物で、脱獄も実話であるそうである。
 但し、モーリスと一緒に脱獄したアングリン兄弟も含め、現在でも生死不明である。(公には、溺死だそうである。)ー

■感想
 ・愚かしき所長の、絵を書くことで生きながらえているドクの書いた自画像に不満を持ち、彼に絵を書くことを禁じ、ドクが自らの指を工房で切り落とすシーンや、後半、ネズミを愛するリトマスが、ドクの形見代わりとして皆で食事時に飾っていた菊の花をとがめ、抗議したリトマスが心臓発作で亡くなるシーンなどは、如何に罪人と言えども、人権があるだろう‥、と思ってしまう。

 ・だが、作品全体を観ると、暴力描写が得意で、多作だった、ドン・シーゲル監督とクリント・イーストウッドのコンビの良いところが出た「ダーティ・ハリー」と比較すると、又、脱獄映画は名作が多すぎるために、多少見劣りがするのも事実である。

 ・とは言え、作品レベルとしては決して悪くはなく、(当たり前であるが)脱獄準備に加担する仲間達の姿などは、観る側の心に響く。

<実話ベースであるので、ラスト、彼らの自由な姿が観れなかったが、あの菊の花は全てを知っているのであろう、と思った作品。>

NOBU