劇場公開日 1964年12月31日

「日活四大女優に頼り切ったプログラムピクチャーの安直な映画制作」若草物語(1964) Gustavさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0日活四大女優に頼り切ったプログラムピクチャーの安直な映画制作

2020年11月26日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

日活四大女優共演が唯一の見所としか言えない作品だが、主演格の浅丘ルリ子も吉永小百合も役柄が合っていない。東京オリンピックで発展著しい都市建造物や街並みを背景にした時代証明の映像の記録性もあるが、あくまで背景に過ぎず、物語を支える程の意味合いもない。姉妹が絡む三角関係の恋愛ドラマを主軸にした脚本の凡庸さ、その展開を台詞で殆ど説明してしまう会話劇故の演出の工夫の無さが目に余る。当時の制作に賭ける時間も予算も限られた事情は想像するも、それを考慮しても安易な演出である。女優の魅力に頼り切った脚本と演出の日活映画。対して男優では、浜田光夫は良いとして和田浩治と山内賢の演技が足を引っ張る。女優に比べると添え物程度の扱いであり、俳優として育てると言うよりアイドルの位置付けではないだろうか。その後の消費文化を窺わせる日本映画のひとつの形態を垣間見るようだ。

Gustav