劇場公開日 1987年6月13日

「日本映画のかっての栄光を今に伝える作品のひとつであると思います」吉原炎上 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0日本映画のかっての栄光を今に伝える作品のひとつであると思います

2022年1月9日
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鑑賞方法:DVD/BD

1987年公開
バブルが立ち上がろうという時期です
吉原の遊郭の大楼が巨大セットで再現され、通りごと作り上げられています
バブル目前の日本の隆盛ぶりの桁外れの凄さ
潤沢な予算がセットだけでなく配役、美術、衣装に惜しみなく注ぎ込まれているのが映像から一目で観てとれます

五社英雄監督の作品の中でも、「鬼龍院花子の生涯」に並ぶ傑作であると思います

鬼滅の刃遊郭編で、なにやら遊郭が注目を集めています
ネットで遊郭編をめぐって炎上騒動が起こったようで、本作の検索結果にまで混ざってくるほどです

鬼滅の刃遊郭編を子供達に観せることはできても、さすがに本作は子供には観せられません
してはなりません

しかし、いつか子供達も大人になって本作を観る日が来るでしょう
その時鬼とはこれのことだったのだと理解するのでしょう

名取裕子の出演作品はテレビドラマも入れれば数知れずですが、本作がそのキャリアの代表作と言い切って良いと思います

彼女は大変に美しい
でも正直、大輪の牡丹のような美貌ではありません
路端に咲く野菊が精一杯に美しく咲き誇っている風情です

それこそが本作のテーマでもあります
だからこそ数ある美人女優の中から彼女が主演に選ばれたのだと思います

間違いなく、日本映画のかっての栄光を今に伝える作品のひとつであると思います

あき240