劇場公開日 1961年5月27日

「錦之助、浪花、三國の全能振りが見事」宮本武蔵(1961) bluewaveskyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0錦之助、浪花、三國の全能振りが見事

2022年4月29日
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鑑賞方法:映画館

興奮

映画チケットが4月末までだったので、何を観るか迷っていたら、動画サイトで本作をおすすめしていたので渡りに船と鑑賞。真田好き・柳生好きなので錦之助さんはネット動画やCSなどでお見かけしたことはあるのだが、私の生前の映画を映画館で観るのは初めてかな。カラーか白黒かと思っていたらデジタルリマスター版で鮮明なカラー。

錦之助さんは評判は聞いていたが、イメージ通りで、今は時代劇が廃れたこともあるが、現在は似たタイプはいない。野盗の情婦として木暮実千代さん、本位田又八の母(おばば)として浪花千栄子さんと伝説の女優が出てくるのだが、木暮さんはセクシーで美しさ・技量共に素晴らしい。『おちょやん』は見ていなかったが、浪花千栄子さんはエンターテナーとして申し分なく、見てないでいうのも何ですが、朝ドラを見ていた人は観るべきだと思う。後半は沢庵和尚役の三國連太郎さんが持ち味を発揮、沢庵の企図で武蔵が大杉に吊り下げられるシーンでの遣り取りは大いに見応えがある。特に錦之助さんと、浪花千栄子さんと三國さんの全能振りは見事でオールスター的なアツい作品となっている。

武蔵がお通さんに助けられたあと、風見章子さん扮する姉が囚われていそうな、野外の牢を探索するシーンが出てくるのだが、今ならCGで簡単に描けるが、当時はセットを構築するのに大変な労苦を費やしたんだろうなと想像。時代劇が隆盛を誇っていた様相の一端が覗えた。結構短期間で5部作放映されるので、機会があれば続きも観てみたい。

bluewavesky