劇場公開日 1995年4月22日

マークスの山のレビュー・感想・評価

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4.0刑事同士の緊張感漲る関係が素晴らしいが学生運動の描き方には疑問符

2023年10月4日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

この映画は直木賞を受賞した高村薫の話題作が原作で、小生は未読だが、かなりの大部の作品である。ストーリーも入り組んでいて、概要を読んでいるだけで頭が混乱してきそうになるw
映画はその長すぎる原作を相当圧縮しているし、犯人から強請られるエリートグループの関係と強請りの原因を変更していることから、話のあちこちに無理が見られる。とはいえ本作にはいいシーンが多いのだ。

まず、素晴らしいのが、合田やお蘭、ペコ、又三郎を始めとする刑事たちの緊張感漲る関係である。
実力社会、能力社会だから、力のある人間は偉そうに振る舞い、遠慮会釈なく強い言葉で命令を下し、ポジションが下だったり実力のない人間は不承不承従う。
力量が同等の刑事同士では激しい鞘当てと鍔迫り合いが繰り返され、時には腕ずくで言う事を聞かせ、時には無能な同僚をリンチ同然に詰問する、ギスギスして荒んだ、しかし職業倫理に忠実で優秀な組織。
本当にそんなに優秀なのかどうか定かではないwが、このむき出しの力勝負という関係、犯人との対決の前に仲間同士で対決しなければならないという構図は、この映画でしか見たことがない。

個人的には警察内部で、ペコの報告を聞いた合田が「そりゃ、おかしいだろ」と問い詰めるところ、合田が警察関係者の事情聴取も必要と主張するのに対し「その関係者とは俺様のことだよ、バカ野郎!」と怒鳴りつける吉原刑事のいかつい表情、お蘭が別の報告者に「どう成果がなかったのか説明してくれ」と文句を言うところ、合田が刑事グループにリンチに遭う場面が面白かった。
WOWOWドラマ版『マークスの山』も見たが、このピリピリ張りつめた雰囲気は到底出せていなかった。

次に、ラストの登山シーン。かなりきつい山道を捜査員たちが黙々と登っていく中、登山経験豊富な合田は身軽に率先して歩を進めると、やがて山霧がたちこめ、皆ヘルメットランプを点灯する。
そして霧が晴れ頂上に上り詰めた合田は、水沢が岩にもたれ掛かって死んでいるのを発見する。遅れて到着して息の切れているお蘭に休む間も与えず「検死をしろ」と命じ、さらに「写真!」と撮影担当者を呼びつける。
高山の壮絶な見晴らしと寒気、強風の厳しい自然、それにまったく動じない合田の力強さが際立つ。BGMのバグパイプ音楽も非常にセンスがいい。

ついでに惜しげもなく脱いだ名取裕子のセックスシーンは、よく頑張ったw

他方、いただけない点も多々ある。
マークスたち5人の関係が原作から大幅に変更され、水沢に強請られる原因が学生運動の内ゲバによる対立セクト・メンバー殺害と、その実行犯の殺害となっている。彼らの所属するサークルが名門山岳部だというのが、まずおかしい。

学生運動は主に文化会系サークルがやっていたもので、体育会系の山岳部サークルが内ゲバにまでのめり込むというのは、ありえなくはないが考えられないw なおかつ、それが名門大学の名門サークルというのでは違和感がありすぎる。

さらにマークスたちの口にするサヨク用語に、そうじゃないだろう感が強く漂う。

佐伯「くだらん。テーマは現在だよ」
林原「御明晰」
――は? 何だ、これ?
ここは、林原「総括しそこなった過去こそ、俺たちの現在的課題だ」くらいにしとけよ、と思わされる。

林原「前のはともかく76年に関してはお前と木原の意志が俺たちを規定した」
佐伯「共同正犯だ」
――やっぱり何だ、これ?であるww
ここは、佐伯「諸個人の自由意志によりアンガージュしたのさ」だなw

脚色の丸山は大学時代ノンポリだったようだし、崔は大学に行っていないから、大学闘争やサヨク的言辞に馴染みがないのではないか? この取って付けた感はそこからくるのだろうが、取材でカバーできなかったものか。

ともあれこの監督に対しては、人種ネタによる評価の下駄履きが多いのでウンザリしているのだが、本作と『刑務所の中』は捨て難いと思う。

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徒然草枕

2.5登場人物の関係性が分かりにくい。

2022年4月21日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

長い原作なので映画も長くなってしまうのは仕方ないのだろうが、原作を読んでいないせいか登場人物の関係性が分かりにくい(おまけに20年前の場面で違う俳優を使っていたりするので)。学生運動を知らない若い世代にはもっと分かりにくいだろう。

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Yohi

3.0特に何が悪いわけではないのだが

2020年6月22日
iPhoneアプリから投稿

劇場公開時鑑賞。原作既読。あのウンウン言いながら必死で読み進めてやっとの思いで読み終わる頃にはヘトヘトになるような重厚長大感こそが高村薫だとするならば、「た」ぐらいの高村薫感でしょうか。
映画だから勝手に進んでいくのですが、ちょっといやかなりあっさりに感じてしまって物足りなく

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なお

3.0暴力シーンが生々しく悪を感じる。殴りまくりで異様に長い場面が多くて...

2020年4月19日
スマートフォンから投稿

暴力シーンが生々しく悪を感じる。殴りまくりで異様に長い場面が多くて気持ち悪い。
名取裕子が萩原聖人を庇って撃たれ、体を派手に2発の銃弾が突き抜けるシーンがあるんだけど、そこ以外の流血シーンは全部気持ち悪い。
グロいのもそうだけど悪意が凄い。刑事が刑事を嵌めただろうとか言ってボコすシーンも本当に嫌らしい。
全共闘の内ゲバのことで強請って金を得るも山で死ぬみたいな話でそれを取り巻く暴力。

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collectible

0.5だめですね

2019年9月26日
PCから投稿

原作もそうですが頭がおかしいことで結論するものは嫌な感じがします。
なんでもそんことにしたら、どんな展開でもできるし。
ストーリーに工夫がありません。
観てて頭がおかしくなりそうです。

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アサシンⅡ

2.5途中で遭難してしもうた…

2018年5月20日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

難しい

寝られる

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近大