劇場公開日 1980年11月22日

「【破傷風菌の怖さを嫌と言う程、思い知らされた作品。娘の苦しむ姿のリアルさと憔悴し切って行く夫婦の姿に戦慄した作品でもある。】」震える舌 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【破傷風菌の怖さを嫌と言う程、思い知らされた作品。娘の苦しむ姿のリアルさと憔悴し切って行く夫婦の姿に戦慄した作品でもある。】

2021年5月16日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

幸せ

ー この作品の存在自体、知らなかった。
  だが、町山智浩氏の映画エッセーの”映画史上最悪のホラー”と言う言葉を読み、恐る恐る鑑賞。野村芳太郎監督だし・・。ー

■結論
・”子供が小さい時に観なくて、本当に良かった・・。”

■感想
冒頭女の子が泥沼で遊んでいるシーンから、全編に流れるバッハのチェロ組曲。

・破傷風菌に侵されていく女の子が”開口障害”により舌を自ら噛みきり、血まみれになる多数のシーン。

・ショックを与えないため、光を遮断した病室での凄まじいシーンの数々。例えば、乳歯抜歯のシーンや、”もう見たくない”海老ぞりになって絶叫する数々のシーン。

・どんどん、憔悴していく夫婦(渡瀬恒彦・十朱幸代)
 錯乱した妻が口にする
 ”もうダメでしょう・・、死んじゃうんでしょう・・、産まなきゃ良かった・・”

・娘の髪を遺髪の様に切り取る妻の姿。自らの髪も・・。

・時間経過ごとに生存率が上がる破傷風。
それを意識して、頻繁に文字で出る“3日目 午後10時”と言う時間経過を見せる手法。

・自分達も破傷風にかかっていると思い込んでいく夫婦の姿。

・人類よりも先に存在したという破傷風菌と、夫との幻想的なシーンも効果的である。

◆劇中の唯一の救い
・主治医を演じた、宇野重吉さんと、中野良子さんがどんなシーンでも常に冷静で、特に中野良子さんの笑顔を浮かべながら、あの凄い女の子の状態に対応する姿には、救われた。

<野村芳太郎監督のホラー映画を作る手腕を舐めていました・・。
精々、「八つ墓村」(十分、怖い・・)くらいかと思っていたら・・。
一度で十分です。
今作は二度と観ない・・。

渡瀬恒彦さんが演じる夫が、”娘が破傷風菌との壮絶な戦いに勝ち、助かった・・”と分かった時に時に崩れ落ちながら泣く姿は、心に沁みたなあ・・。>

NOBU
kossyさんのコメント
2021年5月17日

NOBUさん、『エクソシスト』にはR指定がありません。
というか、俺は中学生だったし・・・
同時上映の『おかしなおかしな大冒険』と同じく、次の日にはみんなでエクソシスト大冒険ごっこしてましたw
R指定ってのができたのは多分その2年後くらいです。そんときは成人映画とR15のみだったかと思います。

kossy
kossyさんのコメント
2021年5月16日

NOBUさん、こんばんは。
たしか野村監督の特集をやってた頃でした。
『エクソシスト』も映画館で観たのですが、わかかりし頃、ホラー映画が大好きで免疫ができていたのかもしれません。
自己紹介文にも書いてあるんですけど、警察が作った交通事故映画を超えるものはいまだ見たことがありません・・・

kossy