複雑な彼

劇場公開日:

解説

三島由紀夫の原作から「ザ・ガードマン 東京忍者部隊」の長谷川公之が脚色、「わが愛を星に祈りて」の島耕二が監督したメロドラマ。撮影は上原明でこれが第一作目。

1966年製作/84分/日本
配給:大映
劇場公開日:1966年6月22日

ストーリー

森田冴子は父と渡米した時、NAL航空のスチュワード宮城譲二の優雅な動作とスタイルの良さに一目で魅かれてしまった。それを友人の、NALにいたことのあるルリ子に話すと、譲二が複雑な過去をもっていることを知らされた。偶然にも冴子の叔父須賀が穣二を知っていた。そこで須賀と共に謙二に会った冴子は直接尋ねてみた。譲二は、ロンドンにいたことや、そこで須賀の下で動いていた時、スパイ容疑をうけ日本に帰ってきたこと、そして井戸堀や沖仲仕をしていたが拳銃不法所持、傷害罪で今は保釈中の身だと話した。そんな譲二に冴子は一層魅かれていった。だが保釈中の譲二がどうしてNALに入ることができたのかと訝った。謙二の背後には不思議な大物がついていた。名前も言わないその男はNALに譲二を入れ、東南アジアのある国のために働いてくれと譲二に頼んでいた。そんなことを知らない冴子は譲二を激しく恋するようになっていた。一方譲二も冴子を真剣に想うようになり、誠実な彼はいろいろな女との過去を打明けた。ヨーロッパで知った女や、インドの美女、譲二は女にはスゴ腕だったのだ。だがそんなこどには構わず、リオで会った二人は情熱的な抱擁を交すのだった。だが結婚のことになると譲二は黙ってしまうのだった。思いあまった冴子が譲二のところへ行くと、そこには例の不思議な男がいて、譲二の背中には大きな刺青があり、それがいつかは冴子の心を冷たくさせてしまう。何故なら海では一緒に泳ぐこともできず、子供と風呂に入れないようでは結婚できるはずがない、と言った。冴子はそんなことは構わないと強く言い切ったが、譲二はさびし気に首をふるのだった。結局、冴子は去っていった。そして、謙二は不思議な男の勧めで、東南アジアのある国に向って去っていくのだった。

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